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日本維新の会は、国会召集早々、混乱の収拾が付かなくなり、早晩、分裂するだろう。 [平成24年総選挙]

(1) 日本維新の会は平成24年総選挙で54議席を得て野党第2党に躍り出たが、国会で勢力を得るための野合そのものであって、まともに国会で活動できるとはおよそ、考えられない。

 すでに選挙前から指摘してきたことであるが http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2012-11-18、維新の会は、原発、TPP、消費税の地方税化、尖閣問題を始めとする外交問題等、違いが大きすぎることは明らかである。

(2) そもそも立ち上がれ日本から合流した平沼氏、片山氏をはじめ、もちろん、石原氏も、右派保守の本流論客であって、昨日今日、関西で圧倒的人気を得たポピュリズム政治家である橋下氏の幼稚な政治論に付き合っていられないと、我慢の限界をすぐに超えるであろう。

 また結党時点からの合流組の松野頼久氏も官房副長官まで務めたそれなりの政治家であり、状況は同じである。当選した以上、もはや橋下人気に頼る必要もなくなったことも大きい。

(3) こと国会における行動に関しては、石原氏、平沼氏、片山氏、松野氏らの方が、知識、経験、能力いずれの面においても橋下氏よりも数段上で、国会議員でもない橋下氏が、大阪からバカな指示をしてきても、あの実力政治家たちが橋下氏の言うことなど聞けるはずがない。

 特に今回、橋下氏は、維新は、首班指名選挙において安倍自民党総裁に投票すべきだと、主張し、その理由として、選挙で圧倒的多数を取った安倍氏が首相になるのは当然で、たった50議席の維新が独立して候補を立てるべきではない、それが民主主義の常識だ、とまで、開票報道番組のカメラの前で堂々と発言していたが、政治の常識を知らなすぎる。

 首相を選ぶのは国会議員の最大の職務の一つであり、自党の代表こそ、首相にふさわしく、そのもとで、最も優れている自党の政策を実現するのだ、と主張するのが首班指名選挙である。他党の党首に投票するのは、その党首のもと、その党首の主張する政策実現に、自党も協力していく、という意思表示であって、それなくして首班指名選挙で投票するなどというのは、また、当の相手はそれを承諾していないなどというのは野合以下の、自分たちを選んでくれた有権者に対する責任放棄も甚だしいものである。

(4) 国会審議が始まれば、東京にいる議員団は大阪の維新の執行部の言うことなど聞かなくなる。大阪の党本部に呼び付けられて行くのを拒否するあたりから内紛が始まり、選挙制度の議論のあたりで収拾がつかなくなって分裂するだろう。

 どの問題でかは判らないが、日本維新の会が国会召集早々混乱し、早晩、分裂するのは明らかだと思われる。


憲法96条の3分の2条項を過半数に変える改正は、憲法改正発議の白紙委任であって、絶対に許してはならない。 [新安倍政権]

(1) 総選挙の結果、安倍内閣が誕生するが、安倍氏はさっそく、憲法改正に両院の3分の2の賛成が必要であるとする憲法96条1項を改正し、過半数の賛成に変える旨の改正を提案している。

 安倍氏は、どこをどう変えるか、となると議論があるが、改正条項の改正なら維新の会、みんなの党も賛成しており、公明党も反対しにくいだろうなどと発言している。

(2) しかし、日本における憲法改正の問題は極めて微妙な問題があり、慎重に考えるべきだというのが国民世論の大勢であろう。憲法のどの条項であろうとも、改憲勢力が両院で3分の2を占めるかどうか、という選挙においては、国民は重大な決断を迫られることになっている。

(3) しかし、この3分の2条項を撤廃して過半数要件に落とすと、衆参で過半数を得た、ごく普通の選挙で選ばれた政権が、憲法を好きなように変える発議ができることになる。発議さえあれば、国民投票は過半数であるから、一時の勢いで、憲法を根本的に変えてしまうことも簡単にできることになる。

(4) 現在、日本維新の会の石原代表など、日本国憲法を廃止して明治憲法を復活させてそこからうやりなおすべきだ、などと、主張する勢力が国会で一定の勢力を持つなど、今の日本は政治的に極めて不安定な状態にある。

(5) 憲法が、深い国民的議論を経ることもなく、9条を改正して軍備を認め、徴兵制も認めるなど、また、天皇制を強化し、一定の人権を制限し、義務を加重するなど、という改正が、単なる衆参の過半数で認められてしまうのは極めて危険でり、絶対に許してはならないものである。

 過半数要件に落とすと、憲法改正の発議が、与党への白紙委任となってしまう。今の3分の2要件を維持し、憲法改正については、国民の圧倒的多数の支持を得て初めて可能となる、今の制度を変えるべきではないと考える。