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テロと戦うフランスだが、独善、不寛容を慎み、もっと他文化を尊重してほしい。 [報道・言論]

(1) フランス連続テロに抗議するデモがフランスの国中で行われ、国全体がテロとの戦いに立ち上がっている。

 オランド大統領は1月16日、パリで演壇に立ち、「狂信的行為と原理主義、不寛容の主たる犠牲者はイスラム教徒だ」とした上で、国全体が「テロリズムに立ち向かうため団結している」と話した。

(2) しかし、そこにおごり、独善はないか。今回の連続テロでフランス国民はイスラム教徒に強い反感を覚えている。そのことを正当化して、それによって迷惑を被っているイスラム教徒のことを、主たる犠牲者だとオランド氏は表現している。

 しかし、そもそも今回の連続テロで、オランド氏自身をはじめとしてフランス国民がイスラム教徒に強い反感を持っている自体を反省してほしい。もとよりイスラム教徒全般には何の罪もないのである。

(3) むしろ、フランスではイスラム教の開祖であるハンマドを侮辱し、愚弄する風刺画の掲載も、法律的にというだけでなく、道義的にも全く問題が無いとされているが、それでいいのだろうか。

 フランスでは表現の自由の最大限の尊重が認められているがイスラム教徒が公開の場でイスラムのスカーフ・ブルカをつけることを禁止しているが、これもいかがなものか。

(4) 世界にはいろんな文化があって、いろんな価値観がある。フランスにも他の文化を愚弄しても何の問題も無いとする価値観があり、それを一概に否定するものではないが、他人の心を傷つけてでもいい、というのは、世界から共通して否定されるのではないだろうか。

 フランスも、もっと他文化を尊重してほしい。その中での、奔放なフランス文化の発展を期待したい。


フランス連続テロに抗議する。世界中の価値観を尊重しよう。世界中の人々に思いやりの心を持とう。 [報道・言論]

(1)フランスの週刊紙シャルリーほかに対する連続テロに抗議する大行進に足を運んだ人の数が370万人にのぼり、まさに、フランス革命や、第二次大戦のパリ解放以来の規模の国民の声となった。

 当ブログも、テロを断固として許さないという、この世界の連帯に対して、全面的に賛同する。また、シャルリーを始め、世界の言論機関は、このような卑劣なテロに屈することなく、世界に正義と真実の発信を、勇気をもって続けていってほしい。

(2) ということは前提として、世界中のすべての言論機関は、世界中に多くの価値観があって、それらは、他者の権利を侵害することを是とするようなものを除いて、すべて最大限に尊重されるべきである、ということに、思いを致すべきであると考える。

 また、世界中の人々に対して、最大限の思いやりの心をもって接し、他人を傷付けるような表現は、控えるべきであると考える。

(3) 最近も、北朝鮮の金正恩第一書記暗殺を描くコメディ映画の公開をめぐって、サイバーテロによる脅迫が行われた。

 サイバーテロであっても、絶対に許されないものであることにかわりはない。しかし、他国の指導者を、正面からその不正につき徹底的に批判する、罵倒する、ということが正当な言論行為であることは当然として、一国の指導者を、殺してしまう映画を、茶化して作る、などというのは、他人の心を傷付けるもので、よくない行為だと考える。http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2014-12-23

(4) われわれ日本人としても、かつて、「福島原発のおかげで、相撲がオリンピック種目になった」、などという、3本の腕、3本の足を持った力士同士が相撲をとっている風刺画がフランス紙に掲載されたことを思い出す。

 同紙は、日本からの抗議に対して、日本人にはユーモアのセンスがない、と言って反論し、謝罪に応じなかったことがあった。http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16

(5) 政治的に正面から意見を述べて、それが他人をいかに傷付けようと、それを自制させようなどということでは世界の政治的進化、あるいは、進化そのものがとまってしまう。

 しかし、ユーモアのセンスで発表者の芸術的表現の自由を発揮する、といった表現の自由は、他人の心を傷付けてまでは,認められないのではないだろうか。

(6) 世界中の人々は、世界中の価値観を尊重するべきである。そして、世界中の人々に思いやりの心を持つべきである。人の心も、不必要に傷付けるようなことがないよう、互いに尊重しあっていくべきであると考える。その先にこそ、世界の平和がある、と考えるものである。


ギリシャ総選挙の結果次第でユーロ圏離脱、しかしそれは経済破綻を意味する。 [経済]

(1) ギリシャで新大統領の選出失敗を受けて2014年12月31日に議会が解散され、1月25日に総選挙が行われるが、緊縮財政に反対する野党・急進左派連合が支持率でリードし、同党首は、国際協調融資を受けるための交換条件だった財政改革を覆し、債務削減に向けて再交渉する考えを表明しているとのことである。

 これに対してドイツのメルケル首相は「緊縮財政を放棄して債務を返済しなかった場合、ギリシャのユーロ圏離脱はほぼ不可避」と判断しているようである。

(2) しかし、ヨーロッパですでにユーロを使っている国で、ユーロ圏を離脱する、ユーロを使わなくなる、などということが可能だとは思えない。

 ギリシャ政府がどんなに頑張ってドラクマに戻すといっても、国民はユーロを使い続けるのではないか。ギリシャにはユーロ圏からの観光客も多く、ギリシャ国内でユーロの使用を禁止するわけにはいかない。それに合わせてギリシャ人もユーロを使う。

 ギリシャ政府から受け取る新ドラクマは歓迎されない。みな、ユーロの方を欲しがるに違いない。ちょっと遠出をすればギリシャ国民もユーロで買い物ができる。また、輸入業者は国外へ行ってユーロで商品を調達してくる。

(3) そんな中で、財政不安のギリシャの通貨など持ちたいと思うギリシャ国民などいるのだろうか。

 結局、公務員の給料や公共事業その他、政府からの支払いのみ、新ドラクマで行われるのだろう。しかし、ユーロの方を希望する国民のせいで、新ドラクマを売ってユーロを買うギリシャ国民の行動により、新ドラクマの対ユーロレートはどんどん下がっていくだろう。

 その結果、新ドラクマは、下落が下落を呼び、収拾がつかなくなるのではないか。

(4) そうなっても、EU諸国は二度とギリシャを助けてくれない。

 ギリシャにはEUとの約束の財政改革を拒否することはできる。しかしそれではユーロ圏離脱から、ギリシャの経済が破綻することを意味する。ギリシャ国民が賢明な選択を行うことを期待する。


原油安の原因、原油価格は投機筋によって作られていることを認識しておくべきだ。 [経済]

(1) 原油安が世界経済に大きな影響を与えている。原油価格といえば最近は1バレルが100ドル程度という感覚があるが、2014年の年末にかけて、70ドルを割り込んで60ドル台を付けるに至っている。

 原油価格が40%も下落するのは、過去30年間で、1986年、97年~98年の2回しかなく、世界経済としては、原油消費国にとって大きな景気浮揚要因であるが、産油国の経済にとっては大打撃で、特にロシアのダメージが大きく、ルーブルが暴落するなど、原油安がむしろ世界経済に悪影響を与えている旨が報道されている。

(2) この原油安の原因について、北米の、シェールガス・オイルの開発や先進各国の金融緩和、特に米国FRBの量的金融緩和の縮小・終了が一番の原因である、などと言われている。

  その他、2014年12月23日号のエコノミスト誌には、原油価格について二つの記事がでている。富国生命の市岡繁男氏の「米量的緩和縮小で揺らぐ原油市場」という記事と、JPモルガン証券の足立正道氏の、「原油安と金融緩和は成長を加速 世界経済の懸念は米国の金利上昇」という二つの記事などを掲載されている。

 特に後者では、原油価格下落の原因について、新興諸国経済の需要の弱さが40%、先進国の需要の弱さで5%を説明できるが、残り55%は供給サイドの要因であるなどと分析している。

 しかし、そもそも原油価格は、投機筋による「仕手戦」により決まるもので、経済的要因から説明しようとするのは間違いである、ということを認識しておくべきである。

(3) 原油価格は2008年には、147ドルなどという価格をつけたかと思うと、1年以内に70ドル程度に下がったりと、経済とは特に関係なく、いわば投機筋の「仕手戦」の結果、そのような乱高下が起こっているものである。世界の原油価格は、先物市場で決まるのであるが、よく「尻尾を動かして頭の位置を決める」という逆転現象が起こっている、などと言われている。

 これは、簡単に言うと、先物市場とは、将来の現物価格を予想して、あくまで「帳面上の売買」を行い、買った値段と売った値段の差額から計算される損益を、参加者の間でやりとりする、いわば博打場なのである。原油不足が予想されて投機筋の資金が流入して先物市場で原油価格が暴騰する、などと説明されるのであるが、先物市場への資金の流入とは、「博打場」への参加者の増加に過ぎないのであるから、原油先物市場に、価格予想と無関係に大量の「買い注文」の「資金」が流入し、その結果、原油先物価格が上昇する、などというのは、一種の価格操作、市場破壊、まさに「仕手戦」だという認識を持つべきなのである。
 http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2008-10-21-1

(4) 昨年来の原油安は、それまでの異常に、不当に高い原油価格が是正されたものとして、現在の60ドルくらいまでなら、特に原油消費国としては「問題ない」とする姿勢も是認できるところであるが、これ以上下がるようなら、世界として問題にするべきである。ロシアを始めとする産油国の経済に与える影響が大きく、それは世界経済にも大きな悪影響を与える。

 原油価格は、需要や供給の関係からではなく、前記のとおり、要するに、投機筋による「仕手戦」により決まっているのである。その価格によって世界経済が振り回されるのはおかしい。

 現在の原油安も、また、今後、すぐまた生じるであろう原油高も、相場筋による「仕手戦」で決まるのある。世界経済に悪影響を与えるような乱高下は、世界でもって是正すべきである。簡単なことである。世界で、原油の売買価格を、先物市場の値段に従わなければよいだけのことである。

 原油価格は、投機筋による「仕手戦」により決まるもので、経済的要因から説明しようとするのは間違いである、ということを認識しておかなければならない。