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米国の「核先制不使用宣言」に反対する安倍首相の申し入れは、被爆国として絶対に許されない。安倍首相は直ちに辞任すべきである。 [新安倍政権]

(1) オバマ大統領が核兵器廃絶への第一歩として、まずは、米国が核兵器を最初に使わない「核先制不使用宣言」を検討していることに対して、安倍首相が反対の意向を伝えた旨、8月15日付のワシントンポストが報じた。

 オバマ大統領は先日、広島に来て原爆資料館などを見学し、安倍首相とともに、核廃絶に向けて各国が行動していかなければならない旨の声明を発表していたが、それを受けての具体的行動が、「核先制不使用宣言」である。

 これに対して、唯一の核被爆国である日本の首相が反対する、などということは絶対に許されないものである。

(2) 世界中に大量の核兵器があり、一気に核廃絶はできない以上、核兵器を持つこと自体、許されないことではない、というのがアメリカの理屈で、日本としては、日米安保条約はあるものの、日本は核兵器で守ってもらわなくてもよい、という立場が、「核を持たず作らず持ち込ませず」、という非核三原則である。

 唯一の核被爆国である日本は、本来、それ以上に、アメリカによる核保有自体に反対すべきところ、アメリカの核は自衛の核である。「核先制不使用宣言」こそないものの、先制使用などしない、という信頼がある、という前提で、世界最大の核保有国であるアメリカと軍事同盟を結ぶことを正当化してきたものである。

(3) これまでも、本来、日本としてはアメリカに対して、「核先制不使用宣言」を働きかけるべきところ、そこまではできない、ということであった。ところが今回、現にアメリカ自身が「核先制不使用宣言」を検討しているのに、これに反対する意向を伝達するとは何事であるか。

 まさに、自衛の核ではなく、大量殺戮の核を正当化するもので、絶対に許されないものである。

(4) このような日本の態度は、北朝鮮の核をも正当化するものである。北朝鮮にしてみれば、アメリカがいつなんどき、自国を核兵器で侵略してくるかもしれない。それへの対抗、反撃のために核兵器を持つのは、他国からの核攻撃に対する最低限の自衛の手段である、ということになる。

 それに対して、アメリカが核を先制使用することなど、現実的にはあり得ない、北朝鮮の主張は口実に過ぎない、というのが日本やアメリカ、また世界の理屈であったと思われる。

(5) しかし、今、現実にアメリカが「核先制不使用宣言」を検討しているのに対して、ことさらに日本がこれに反対しているということは、まさに、北朝鮮などに対して、核を先制使用することもあるということであり、また、その可能性を残してほしい旨、必要な場合は核を先制使用してほしい旨、アメリカに要請しているということである。

 それならば北朝鮮も、核兵器から自国民を守るため、自衛権、生存権の行使として核保有を行うという理屈に反論できないことになってしまうhttp://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21。北朝鮮ですら、核先制不使用は、最近は示唆しているのである。中国は、早くから、核先制不使用宣言を行っている。

(6) 今まで、日本がアメリカに「核先制不使用宣言」を要求してこなかった、という不作為とはわけが違う。アメリカが現に検討している「核先制不使用宣言」に反対する、ということは核先制使用を積極的に容認し、これを求めることである。

 まさに悪魔の所為である。71年前の夏、何十万人もの同胞を原爆で惨殺され、二度と核使用のない世界をつくるために世界の先頭に立つべき国の首相として、絶対にあってはならないことである。

(7) このようなことは絶対に許されない。安倍首相は、この責任をとって、直ちに辞任すべきである。