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EUは、ギリシャの衆愚国民に選ばれたポピュリスト政治家の恫喝に屈するな。 [国際問題]

(1) 6月末に金融支援の期限を迎えるギリシャで、チプラス首相は、7月5日に国民投票を行い、EUの年金の大幅削減などを条件とした支援策を受け入れるかどうかを決めるなどと発表したが、EUはこれを拒否した。

(2) チプラス首相は、厳しい財政状態で、緊縮政策を取る前政権を批判し、まるで魔法の杖でも出すかのような大衆迎合政策を掲げて政権に付いた、衆愚国民に選ばれたポピュリスト政治家である。

 そんな政治家の横暴がまかり通るようではヨーロッパ中で国民の人気取り政権が幅をきかし、ポピュリスト政治家が現れてEUに無理難題を押しつけた上で、各国で無理な政策が手詰まりになってまわり中の国々に多大な迷惑をかけるようになる。ひいては、ヒトラーのような大衆迎合型の政治家が再びヨーロッパ中を跋扈し、結局、世界に大変な害悪を与える。

(3) このままではギリシャでは6月30日に向けて、銀行の取り付け騒ぎが起き、国内は大混乱に陥るであろう。近い将来、ユーロが使えなくなって、きっと暴落を続けるであろうドラクマをギリシャ政府から押しつけられると思えば、今のうちにユーロを銀行から引き出せるだけ引き出して手元に置いておこうというのは国民の当然の対応策である。

 その結果、ギリシャ中の銀行から、ユーロの現金が無くなる。補給しようにも、ヨーロッパ中央銀行は、返してもらえるあてのない援助をこれ以上、ギリシャに行う義理はない。ギリシャ中の銀行が機能を停止し、金融システムが破綻する。財政危機状態のギリシャがEUから脱退し、ユーロから離脱するということはそういうことである。これは、ロシアがどんなにギリシャに援助の手をさしのべても変わることはない。

(4) 一方、EUの側は、ギリシャ危機で損失を被ったギリシャ以外の銀行は、徹底的に保護する旨を表明し、現実に保護すればよい。

 EUは、みえすいたチプラス首相のブラフに怯えることなく、筋を通せばよい。他国の支援を受けるのに、自国民が納得しにくいような条件を飲まなければならないのは明らかである。EUは間違っていない。ギリシャ政府とギリシャ国民が、まっとうな判断をすべきだ、というだけである。