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日米韓は、北朝鮮の核実験を批判できない。まずは核先制不使用宣言をせよ。 [国際問題]

(1) 9月9日に北朝鮮が大規模な核実験を行ったことについて、日米韓を始め、国連、また中国までもがこれを非難し、制裁を強化する旨、決定がなされている。

 北朝鮮の核実験は、すでに5回目で、今回の規模はTNT火薬10キロトン程度とみられ、広島型の半分程度の規模を持つに至ったと考えられるとともに、すでに今年だけでも弾道ミサイル実験も20発以上に及び、日韓をはじめまた、アメリカにおいても北朝鮮の核の脅威が現実化しているものである。

(2) これに対して、9月18日の日米韓外相会談において、より厳しい制裁措置の検討に合意したとともに、会談ではケリー米国務長官が、「核及び通常防衛能力を含め、米国の日韓に対する防衛上の関与を断固として維持する」と表明する等、核兵器の使用も含めた拡大防止措置にまで言及し、徹底した対応を行う旨、合意している。

(3) しかし、北朝鮮からすれば、日米韓からの、核兵器使用を含めた武力による威嚇により、不当な弾圧を受ける状態を脱するためには、まさに自らの核武装が必要である、という理屈に、それでは反論できていないと考える。

 北朝鮮と、現在も戦争状態にある韓国は、米国の核で守られているのである。米国の核が北朝鮮をいつでも攻撃する可能性のある中で、北朝鮮が自らを守るための核を持つ、核実験を行うことは不正であると、どうして言えるのか、説明はつかないと考える。

(4) すでに指摘しているとおりhttp://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2016-08-16、米国は核先制不使用宣言を行っていないし、オバマ大統領がその検討を行ったのに対して、日韓はこれにことさらに異議を唱えている旨、報道されている。その、核使用の対象は当然、北朝鮮を想定しているものと考えられるものである。

 北朝鮮は、米国の核の先制使用の脅威にさらされている。また、単なる抽象的脅威ではなく、米国が核先制不使用宣言を検討したのに対して、ことさらに日韓はこれに異議を唱えている、つまり、必要があれば、北朝鮮等に、核兵器を先制使用してほしいと求めている、ということなのである。

(5) そのような状態で、日米韓は、北朝鮮の核実験を非難することはできないと考える。日本としては、少なくとも、まずは米国に、核先制不使用宣言を行うことを訴えるべきで、それと並行して初めて、北朝鮮の核実験を非難できるというべきである。


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