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野田首相の問責決議案可決、この国の政治は一体、どうなってしまったのだろうか。 [野田政権]

(1) 8月29日、参議院で、野田首相の問責決議案が可決された。これによって野党はすべての審議を拒否し、国会は事実上閉じ、議員定数是正や赤字国債発行法案を始め、多くの懸案が先送りされることになった。

 すでに自民党、公明党以外の野党7党は共同で野田首相に対する問責決議案を提出していところ、前日、民主党が、選挙制度改正法案と赤字国債発行法案を衆議院で単独可決したことに自・公が怒り、野党7党が提出していた問責決議案から、消費税増税法案可決に関する部分を除いた独自の問責決議案を提出していたが、結局、自民党は、野党7党案に賛成したことから、自民党は、「民・自・公の談合で、消費税増税を国民に押しつけた」などという野田首相を問責する決議に自ら賛成したことになった。その結果、谷垣総裁も野田首相と一緒に政治生命を懸けたはずの消費税増税を、自ら否定し、その実行のための諸施策を、少なくとも今国会では決められない事態に陥らせてしまった。

(2) 結局、自民党は、党利党略以外のなにものでもない、要するに今が自党に有利だから、なんとしても解散総選挙に持ち込むために、すべてをなげうって国会を止めた、ということ以外に説明のつかない行動を取っていることになる。

 自民党としては、消費税増税法案を成立させる前に、消費税増税が民主党の公約違反で現在の民意に反する、として問責決議に持ち込む選択もあったが、それをしなかった。それよりも何よりも、国家の未来のために、増税が必要だから、多くの小異を捨てて、批判を覚悟で増税法案を通したのに、その実施のための赤字国債発行法案も通さずに国会を止めてしまうなどというのは、国家の未来よりも、自党の議席増が大事だから、国家の未来を捨てた、と見られても仕方のない行動である。

(3) 谷垣総裁は、このままずるずると9月を迎えたのでは再選の目がないと考え、今回の行動に出たようであるが、逆に、自民党は、政党としての大義、信義を失い、自民党の信用を失墜させたもので、57年の歴史に泥を塗ったものとして、長老たちから退陣要求がわき起こり、近く、不出馬を表明せざるを得なくなるだろう。

(4) 片や民主党であるが、前記の自民党の怒りを買ったのは、参院では少数与党で、無理に衆院だけ通しても絶対に実現不可能な選挙制度改革法案を単独で可決し、自公との信義を捨て去り、自公に問責決議案を出させるように仕向けたものである。

 その理由も、今国会をそれで閉じ、近いうちに解散するという野田首相の約束を反故にし、あと数ヶ月、解散を遅らせて一日でも長く与党の地位にとどまりたい、というだけのものである。

 せめて、「来年になれば景気がよくなり、総選挙での議席が増えるから、時間延ばしをしよう」とでもいうならともかく、見え見えの延命策を取っても民主党の支持は減るばかりで、選挙の負け方が激しくなるのは目に見えているのに、それでも、何が何でも一日でも長く与党の地位にとどまりたい、というだけの意図しか見えてこないもので、語るに落ちるとはまさにこのことである。

(5) このような、第1党、第2党のさまを見せられると、「議員定数を半分にする」、という橋下維新の会に100や150の議席くらい、やってもよいのではないか、と多くの国民が考えるようになると思うが、ヒトラーはこのような時期に現れた、というのは歴史の教訓のはずである。

 誠に、情けない限りである。ほんとうに、この国の政治は、どうなってしまったのだろうか。


日本政府は、韓国政府が竹島問題のICJでの審理を拒否している事実を、国際社会と韓国民に対して訴えるべきである。 [竹島問題]

(1) 日本政府が竹島問題について、国際司法裁判所(ICJ)への共同提訴を申し入れていたところ、8月30日、韓国政府は、竹島(独島)は明らかに韓国の領土で、そこに国際紛争は存在しない、としてこれを正式に拒否したとのことである。

(2) しかし、日本が強行に抗議し、ICJに提訴すると言っているのであるから、紛争があるのは明らかである。両国の国会で大きく取り上げられ、韓国サッカー選手がオリンピックの場で意思表示し、両国でも多くのデモ等が起こっているのだから、日韓ののどに刺さった鋭い棘のような一つの国際紛争である。

(3) 竹島は、対馬からもウルルン島からも近く、日韓双方とも、古来、頻繁に行き来していたのであろうが、どちらも、特に自国の領土だという意識のない岩礁だったものと思われる。

 明治の島根県編入の経緯、サンフランシスコ講和条約の経緯からして、国際法上、日本の領土であることは明らかであるところ、日韓併合のどさくさで、竹島も植民地支配的に奪い取ったというのが韓国の主張であるが、当時は「排他的経済水域」の制度もなく、日本が、そんな絶海の孤島をせせこましく取ろうとしたはずはなく、朝鮮全域を属国化しようとしていたもので、韓国の見解は穿ちすぎというものである。

(4) 日本政府としては、どちらが正しいにせよ、出るところに出て事実をはっきりさせよう、と主張し、少なくとも、日本がこの問題で、戦前から一貫して悪い、というものでないことは、日本がICJでの解決を提案していることから明らかである、という事実を、国際社会と韓国民に対して強く訴え続けるべきだと考える。

 韓国内で街頭インタビューに行き、「独島の問題で、日本は国際司法裁判所での解決を求めているが、韓国はこれを拒否している、日本が一方的に悪いというなら、どうして韓国はこれを拒否するのか。」と質問すれば、彼らはどう答えるのだろうか。


日中韓とも、国際司法裁判所や仲裁委員会など、堂々と第三者の裁定を仰げ。 [尖閣諸島問題]

(1) 韓国は、日本が竹島問題について国際司法裁判所に提訴する旨を表明したことを受けてだと思われるが、韓国外交通商省の金永元・韓日請求権協定担当大使などがこれまでに、旧日本軍の元従軍慰安婦問題をめぐり、両国の紛争処理に当たる第三者を入れた仲裁委員会による解決を日本に提起すると明言している。

(2) 日本はこれを堂々と受け入れるべきである。互いに自らの主張だけを言いあい、第三者機関での処理を否定するなどというのは、自らの主張の正当性を自ら否定するに等しいものである。

 日本は、慰安婦問題で、これ以上の調査は不要であると主張し、河野官房長官談話自体が、存在しない事実について不当に謝罪したものだ、などという批判まであるが、この際、第三者に徹底的に調査してもらい、存在するものは存在する、存在しないものは存在しない、すでに謝罪したものは謝罪した、という事実関係を明らかにし、仮に、謝罪や賠償が未了の分があれば、さらに謝罪等をするというのは当然のことであると考える。

(3) 慰安婦問題での仲裁委員会付議を韓国に承諾したあとで、日本は、日本が慰安婦問題について第三者の裁定を仰ぐことに同意しているのに、韓国は竹島問題について、どうしてそれができないのか、「独島問題について、日本が一方的に悪い、という韓国の教育」は間違っていないのか、と韓国民に問いかけるべきである。

(4) 尖閣問題についても、この地域に日中間に領土問題は存在しないというのが日本の立場であるが、仮に中国が国際司法裁判所に提訴するならば、堂々と受けて立ち、日本の領土であることを確定すればよい。竹島では提訴しつつ、尖閣では拒否する、というのでは筋が通らない。

(5) 日本は、今後、領土問題その他の問題を、平和裏に解決する手段として、司法裁判所や仲裁委員会などを積極的に利用していくべきだと考える。


民自公三党体制は、総選挙後も大阪維新や減税政党に対抗し、維持していく場合を想定せよ。 [野田政権]

(1) 野田、谷垣、山口の、民自公の首脳は、今回の消費税増税の共同提案で連携した体制を、総選挙後も保っていく可能性を探っているようであるが、賛成である。

(2) 次の総選挙は、消費税増税の是非を最大の争点として行われる。反対派が政権を取れば、増税を撤回する法案を通すことになるが、それでは今後、半永久的に消費増税はできないことになろう。

 今のところ、各種世論調査の予想では、自民党が第一党にはなるが、公明党を加えても過半数は取れない見込みとのことである。

(3) その場合、最大の争点である消費税増税について、反対派を連立に組み込むことはできないだろうということになる。

 そこで、民主党のさらなる分裂があることを前提にすれば、もはや「大連立」というほどのこともない「中連立」あるいは、第2党が連立に参加しない連立になる可能性もあるくらいで、「大連立」の批判も当たらない。よって、自・民・公の三党連立が現実味を帯びてくる。

(4) 民自公三党は、大阪維新や減税政党に対抗し、総選挙後も三党体制を維持する可能性もあるのだから、くれぐれも信頼関係を決定的に損なうようなことがないよう、互いに誠心誠意、国家財政の健全化に向けて、国会審理を尽くすべきであるが、特に、不信任案も問責決議案を経ては解散後の連立もしにくいので、野田内閣も自公も、最後はそれらを経ずに解散するように持って行くべきである。


8月15日の香港人の尖閣上陸問題、強制退去ではなく、公務執行妨害での起訴で対応すべきだ。 [尖閣諸島問題]

(1) 8月15日、尖閣諸島の領有権を主張する香港の活動家が海上保安庁の警告を振り切って尖閣諸島に強制上陸した。

 これを受けて魚釣島で待機していた海上保安庁の職員と警察官が直ちに上陸した5名と船上の9名を逮捕し、那覇に連行した。

(2) しかし、報道によると、政府は、2004年3月の、小泉政権下の対応や、不法入国の場合は強制退去で対応する先例に従い、今回も強制退去処分で対処する意向だとのことであるが、それでは、2010年の事件の際に不起訴にして送還したときと同じように、領海侵犯をしても何の罪にも問われないという印象を内外に与えてしまう。

(3) 通常の不法入国は、日本に何としても入国したい、という不法入国者に対して、強制送還することでその野望を実現させない、という意味がある。しかし、今回の事件等、まさに、領海侵犯、領土侵犯すること自体が目的で行動しているのだから、強制送還したのでは帰国の旅費を負担してやるだけのことで、不法入国者に対して何の制裁にもなっていない。

 2010年の不法侵犯の際も送還措置後、帰国した船長は英雄として迎えられた。国内的にも国際的にも、尖閣での領海不法侵犯に何のお咎めもない、という印象を与えてしまうことは明らかであろう。

(4) 今回は、単なる不法入国ではなく、海上保安庁の船に体当たりする等、公務執行妨害があったことは明白である。何の反省もせず、確信犯的に行った今回の犯罪について、結果として何の罪にも問うことなく、「香港に返してあげる」ということでは国家の秩序が保たれない。

 領海侵犯、不法入国を防ごうとする国家の活動を、暴力でもって妨害した重大犯罪であり、その犯罪を犯した者を無罪放免してはならないことは明らかであると考える。


国民に節電を強いておきながら、不格好を気にして自らはクールビズすらしない野田首相には国民の生命財産を委ねられない。 [脱原発問題]

(1) 野田首相は当初、クールビズスタイルだったが、太った人のクールビズはみっともなく、似合わないと思ったのだろう。そのうち、ほぼ上着を着けるようになり、ネクタイを着けることも多くなった。

(2) しかし、言うまでもなく政府は国民に対して、何とか工夫して節電するように、冷房も控えめにするように要請し、そのためにクールビズを奨励している。その政府の代表たる首相が、見てくれを気にして、あるいはテレビ映り、国民から格好悪いと思われたくないためにスーツ、ネクタイを着用するとは何たることか。

(3) 特に、今回のクールビズは、小泉首相時代の省エネのためのクールビズではなく、日本が先進国として生き残るための、電力不足に対応するためのものである。そして、それでも電気が足りないから、ということで、本来、絶対に安全とはいえない原発の再稼働まで国民に理解を求める前提として、「省エネをしても、なんとしても電気が足りないのだから」、というものなのである。

(4) 格好悪くとも、また服装がきちんとしてないから真剣な気持ちで来ていないと誤解される恐れも甘受して、あえて、夏は軽装で過ごしましょう、というのがクールビズのはずである。

 そんなごく基本的な見てくれを気にして、自らはクールビズすらしないで国民に原発再稼働の理解を求める資格などないというべきである。そもそもそのような野田首相に、国民の生命財産を委ねることなど、できないというべきである。