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プーチン大統領の、クリミアのロシア編入の際に核兵器使用を準備した旨の発言は、絶対に許されないものである。 [国際問題]

(1) ロシアのプーチン大統領は、3月15日に放映された国営放送のテレビ番組で、2014年2月にウクライナの親ロシア派政権が崩壊した後、ロシアにクリミアを編入しようとした際に核兵器の準備していたことを明らかにした。

 しかし、いかなる場面でも核兵器の使用は絶対に許されないものであるとともに、そのような発言をすることだけでも、絶対に許されないものである。

(2) 核兵器は、北朝鮮を除き、自国防衛のためにのみ用いるものであるとされ、主に、他国から核攻撃を受けた場合の報復等の手段においてのみ用いる等、極限的な場合に限って使用されること、あるいは使用されないことを前提に保有されているものとされてきたはずである。

 そうでなければ、国際紛争を解決する手段として、核兵器という、残虐極まりない、戦闘員以外の市民を大量に殺戮することを否定しないことになり、明らかに国際法違反であるとともに、人として許されない、まさに人類に対する罪を犯すことを厭わないことを宣言したことになるもので、核保有国の首脳がそのような発言をすることだけでも、絶対に許されないものである。

(3) あるいは、プーチン大統領としても、本当は核兵器を使うつもりなど無かったのだとしても、今後、ウクライナがロシアからの侵略行為に軍事的に対抗する中で、ロシアがウクライナに核攻撃を行う可能性を示唆し、ウクライナその他の紛争相手国に対して、核による威嚇を行って、抵抗を抑圧しようとするもので、人道的にも、絶対に許せないものである。

(4) この、プーチン大統領による核の威嚇に対して、ウクライナは対抗手段を持っていない。このような核の威嚇が放置されるならば、今後、多くの国が核兵器を保有し、他国に対して核の威嚇を行うようになり、また、現に使用する危険性も格段に高まるものである。

(5) このような核の威嚇を行った者は、国際社会から厳しく糾弾され、厳重に対抗され、核の威嚇による利益をはるかに超える損失を自国民に与えることを、国際社会は知らしめなければならないと考える。

 国際社会は、このプーチン大統領の発言を受けて、ロシアに対する経済制裁を、なお一層強めるべきであると考える。


鳩山元首相の「パスポートを没収されたらクリミアに移住する」発言、言論の自由が保障されている日本で、パスポート没収などあり得ない。 [報道・言論]

(1) 鳩山元首相が、ロシアが一方的に編入したウクライナ南部クリミア半島を訪問し、「ロシアのクリミア編入は合法」などと発言したことに国内での批判が高まっている。

 ロシアは武力でもってクリミアをウクライナから奪い取ったもので、この手続が国際法違反であって許されないものであることは国際世論の圧倒的支持が示すとおりであると考える。

(2) 鳩山元首相の今回の一連の発言に対して、日本国内では、元首相としての発言の悪影響の大きさに鑑みて、鳩山氏の旅券(パスポート)を没収すべきだ、などという意見が出ているが、その方が言語道断というべきである。

 日本には言論の自由がある。公序良俗に反し、犯罪に該当する、などという場合を除き、言論の自由は広く保障されている。政府や世論から強く非難されるような発言をするからといって、その者を、国から外へ出さない、外国へ行かせない、などということが日本で認められるはずがない。

 日本は、言論の自由が制限され、国内に幽閉されるようなことがある一部、非民主国家とは全く違う。

(3) ところが鳩山氏は3月12日、旅券を返納させるべきだとの意見が日本国内で出ていることに関連し、「没収されればクリミアに移住する可能性もある」とし、会談したロシアのベラベンツェフ・クリミア連邦管区大統領全権代表がその旨の提案を受けたことについて、「(旅券返納の)恐れがある場合、招待を受けることを否定しない。ベラベンツェフ氏に感謝したい」と述べたとのことである。

 しかし、それではまるで、日本で、政府に悪影響を与える発言をする者はパスポートを没収される可能性があるかの発言を日本の元首相が行っているもので、そちらの方が大問題であると考える。

(4) 日本は、鳩山氏はご存じないようであるが、言論の自由や民主主義が徹底的に守られている国である。元首相たる者、国外で、日本がまるでそうではないかの発言を行うのは、そちらの方こそ、厳に慎んでもらいたい。

 だからといって日本が、鳩山氏のパスポートを没収するようなことは絶対にない。しかし鳩山氏は、元首相として、内外に与える影響を考えて、発言はより慎重に行ってもらいたい。