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NHK籾井会長、就任会見で従軍慰安婦問題正当化と国際放送の国策利用発言、NHKの政治的中立性をわきまえよ。 [報道・言論]

(1)NHK新会長の籾井勝人氏の就任会見が1月25日、東京・渋谷の放送センターで開かれたが、籾井新会長は慰安婦問題への個人的見解として、「今のモラルでは悪いことだが、当時の戦争地域には大体つきものだったと思う。問題は日韓基本条約で国際的に解決している。それをなぜ蒸し返されるのか」との趣旨の発言を行い、韓国の対応を疑問視したとのことである。

(2) また、籾井氏は、NHKの外国人向け国際放送の充実を重要課題に挙げ、沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島などをめぐる領土問題について「日本の領土であることははっきりしている」と強調し、国際放送での報道姿勢について「明確に日本の立場を主張するのは当然のことだ」と述べたとのことである。

(3) しかし、言うまでも無くNHKは、政府から独立した、言論機関である。政府の意向で特定の意見、政策を反映させてはならない機関である。新しく安倍首相の肝いりで選ばれた新会長の就任会見で、極端な政治的発言を続けることが不適切なことは明らかである。国の内外に対して、今後、NHKが新会長の意向で一定の方向、特に「戦後レジュームからの脱却」の方向で偏った放送を行うのでは無いかとの危惧を与えてしまう。危惧ところか、籾井氏なら現実にそうするのではないかとすら思えてしまう。

(4) このような人物はNHKという、公共放送機関の会長としては不適任である。言論の自由、言論機関の政治的中立をわきまえない人間をNHK会長に据えた、安倍首相の責任が強く問われるべきである。


安倍内閣は、あからさまな、未曾有のバブル政策を取っているが、バブル崩壊時に泣くのは高齢者等であり、このような政策は決して許されない。 [アベノミクス批判]

(1) 2013年は、1年間で日経平均が56.7%上がり、これは、41年ぶりのことである。41年前というと、1972年、田中角栄内閣、狂乱物価の頃である。さすがに、その頃の日経平均がどうだったか、という感覚を持っている投資家は多くないと思われる。

 狂乱物価の頃であるから、物価調整後の値上がり率を考えると、今回が、史上最大規模の上げ、であることは間違いないようである。

(2) しかし、昨年、日本経済が5割増しになった、などということがあるはずがない。経済自体はほとんど横ばいなのに、外資が買いに入って、それで日経平均が上がっているだけで、バブルそのものである。今の状態で外資が撤退すると、日経平均も元に戻ることは間違いない。

(3) そろそろバブルもはじけるのかな、と思っていると、1月6日の日経夕刊1面の見出しは、 「NISA元年始動 個人マネーの流入期待」であった。

 要するに、株価上昇を維持するためには、次は、投資未経験者、高齢者、「バブルで痛い目にあったのに、忘れやすい人」の資金がターゲットということである。

(4) 今回、2013年の大納会には安倍首相がわざわざ東証へ行って鐘を突き、2014年の大発会では麻生金融担当大臣まで東証へ行き、手拍子の音頭を取った。

 しかし、これは、政府として、「今年は株が上がってよかった、来年も上げるぞ、株が上がるまで各種の政策は変えないからみなさん、安心して株を買って下さい」、というサインで、首相、副首相自ら、経済をよくするのではなく、買い手を増やすことで株価を上げようという、 一種の「相場操縦」であって、およそまともな行為ではない。

 安倍首相のやることは、秘密保護法にしても、靖国参拝にしても、朝日新聞や毎日新聞を中心に徹底的に叩かれているのに、このバブル政策と、日銀の「物価を2%上げるためなら何でもする」政策への批判は余り聞かれないのは誠に遺憾である。

(5) ある程度経済のわかった人は当然、そういうことはお見通しで、それと判った上で、上がる間は株価上昇で儲けようと思って株を買っている。外資も、当然、そういうことである、いつでも撤退するつもりで株価を見ている。

 しかし、これから、NISAなどで新規に株式市場に参入した投資未経験者、高齢者などは、そんなことは判らず、あるいは、短期間に暴落する株価を目にしても、まずは大損したことで動転して冷静な対応ができず、株価暴落に、なすすべもなく、大きな資産を失うようなことが多々あると考えられる。

(6) 東京オリンピック開催が決まるまでは、早晩、早ければ2014年中に株価は暴落する、と思っていたが、オリンピックが決まって、2020年までそれが延びたのかもしれない。

 しかし、そうすると、それまで、またぞろ非常に高いバブルの山が築かれて、それが弾けて、今度こそ、数十年間は立ち直れないダメージを日本経済そのものと、高齢者などに与えることになるのが危惧されるもので、一連の安倍内閣の施策は決して許されないものと考える。


ヒトラーと靖国神社、ヒトラーは特殊な宗教で国民を洗脳することまではしなかった。 [戦後民主主義問題]

(1) 女性タレントが、テレビのワイドショーで靖国神社について、ヒトラーの墓に参拝することに例えたことで彼女のブログに「靖国神社応援団」からの批判のコメントが殺到して、いわゆる「炎上」しているそうである。

(2) ヒトラーと靖国神社、靖国神社に祀られている人々がヒトラーのようだったか、というと、それは大きく違うのだろう。たとえ「A級戦犯」、例えば東条英機とでも、ヒトラーとは全く違う。

 方や、明治維新以降、欧米列強に遅れまいと、欧米列強がしてきたのと同じように世界に進出、侵攻していった大日本帝国の、最後の首相だっただけの人物である。それと、自らナチスを組織し、自ら個人崇拝の対象となり、世界征服を企図し、ユダヤ民族の殲滅まで謀っていたヒトラーを同一視することはできない。

(3) しかし、国民がどんな迷惑、害悪を被ったか、という観点からして、今、ドイツでヒトラーの呪縛に捕らわれている者は決して多くないが、靖国神社にはいまだに多くの国民が参拝し、世界中の批判をものともせず、首相まで参拝している。戦後69年、その影響力を国民の精神に残した大日本帝国の罪悪は決してヒトラーに劣らないと考える。

(4) 明治政府は、国家神道によって日本人を宗教的に洗脳し、天皇は神であり、天皇のために戦死すれば靖国神社で神になる、など信じさせ、それが宗教に基づくものだけに、あながち「嘘」ではなく、「罪なき人を殺して自分も死ね」と教えた、人の道に反するような宗教を子々孫々まで信じ続けさせることになっているからである。

(5) 明治政府は富国強兵を図るのに農民出身の若者を兵士として国のために死をも厭わずに戦わせるために、国家神道という宗教まで作り出した。天皇は神で、日本は神様の国で、神様の国に編入される周辺の諸民族は幸せで、天皇のために戦死すれば兵士も神となると教え込み、国民を洗脳した。その結果、若者は天皇陛下万歳と叫んで死に、靖国神社に祀られるのが本望で、その母親は息子を戦場に送り出すのが日本の女としての最大の名誉であると、少なくとも表向きには思い込まされた。

 そして、そのような宗教的洗脳は、「戦争反対」などの市民の運動、また、素朴な思いまでも圧殺することを容易にし、反対の声を押さえて1億が火の玉となって地獄に向かって突き進む大きな原因になったこともまた明らかである。

(6) 宗教とは恐ろしいものである。生死や正義までも掌るからである。宗教上の対立からもう何百年も殺し合いを続けている地域が世界にいくつもある。

 9.11にニューヨークのツインタワーにアラーの神万歳と叫びながら突っ込んだ回教徒は、その大量殺戮行為を「聖戦」と称し、これに対抗してイラクに侵攻したブッシュ大統領は自らを「十字軍」だと言ったことも記憶に新しい。

(7) すでにある宗教に基づき、国民が行動するのは「宗教の自由」の観点から政府としてはコントロールしがたい面がある。しかし、国家が国家に都合のいい宗教を作り出して国民に宗教教育をほどこし、国家のために死ぬ若者を作り出す、などというのは言語道断である。

 しかも、国民はそういう宗教を植え付けられ、現に息子や親、親族、仲間を亡くし、彼らが靖国神社に「英霊」として祀られていると信じているため、天皇が自ら、神ではなく人間だと宣言したあとでも、靖国神社を否定することは「英霊」を「英霊」ではなく「侵略者、人殺し、犬死に」であることを認めることになるもので、受け容れ難いものとなってしまった。

 そのことについての当時の日本の政府の責任は、極めて甚大なものがあった。

(9) 現在の日本の政府、指導者のなすべきことは、靖国神社に首相が参拝し、靖国神社に対して国からの関与を深める憲法違反行為を行うことではなく、二度と特定の宗教を使って国民を動かすようなことはしないこと、また、世界に向かって侵略戦争の反省の意思を表明し、先の大戦で犠牲になった兵士、市民を国民全体で、また世界の人々とも一緒に追悼できる施設を作ることであると考える。