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大阪府警の機動隊員が沖縄で現地の人に「ぼけ、土人が」などと罵倒したことは言語道断で、これを擁護する松井一郎大阪府知事の見解ももっての他である。 [普天間基地問題]

(1) 10月18日、沖縄県の米軍北部訓練場の一部返還を巡り、現場周辺警備に派遣されていた大阪府警の機動隊員が、反対運動をして機動隊員に詰め寄る現地の人に対して、「どこ、触っとんじゃ」「ぼけ、土人が」などと侮蔑的罵倒文言を浴びせた件について、全国で批判が高まっている。

(2) ところがこれに対して、当該機動隊員の大阪府警を管轄する大阪府知事の松井一郎氏はツイッターで、

ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様。

などと書き込み、機動隊員の発言を擁護しているが、前記の機動隊員の言動は言語道断であり、松井一郎知事がこれを擁護することも、もっての外である。

(3) 松井一郎知事をはじめ、この機動隊員の言動を擁護する者は、現地住民が機動隊員に対して、罵詈雑言をあびせているのは許されてよいのか、などと指摘しているが、全く理由になっていないというべきである。

 デモや、各種反対運動を行う者に対して、機動隊が対象施設や対象機関を警護等している際に、デモ参加者等から、機動隊員を罵倒する、などということは、言論の範囲内というべきである。機動隊員の家族に危害を加えるかの言動や、また、機動隊員に暴力を振るうようなことがあれば、それは犯罪であって、別途、厳正に処理されるべきは当然であるが、警察組織や機動隊そのものについて、犬畜生のごとく、クソミソに言うのも、言論の自由の範囲内である。

 警察官は国家権力を背負っている。国家権力を行使している。その過程で警察権力の行使の仕方が不当だと主張する反対派の市民からは罵倒等されるのも職務の一つであろう。

(4) それに対して、国家権力を行使する者は、常に正義であらねばならない。犯罪を犯してはならないのは言うまでも無いが、不相当な言動を取ってもいけない。それは、彼らが国民全体の権限の代行者だからである。

 あるいは、大阪府民が自ら「雇っている」大阪府の公務員が、権力を行使するにあたって、いささかも不相当なものがあってはならない。それを放置するならば、こんどは、批判されるべきは大阪府民だ、というべきである。

(6) 特に沖縄の人々に対して「ぼけ、土人が」などと罵倒するのは、過去の歴史的経緯からしても、決して許されないものである。かつて、日本人は文明人で、人権の主体であるが、沖縄の人は人としての人権は無く、見世物として扱われる、そのようなことが1903年に大阪で開かれた博覧会で現実に行われた。内地の人間が、沖縄の人々を、まさに土人として扱ってきた歴史からしても、決して看過できないものである。このような発言を擁護する松井一郎大阪府知事の言動も、決して許すことのできないものである。

(7) 松井一郎大阪府知事は、これらの一連の言動について、真に反省し、沖縄の人たちに真摯に謝罪し、大阪府警の警察官ともども、人権の問題について、一から勉強しなおすべきだと考える。