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アベノミクス解散の国民審判、まだ経済がよくなっていないのに、あと2年でよくなるだろうなどと支持するのは間違っている。 [平成26年総選挙]

(1) 11月21日、衆議院が解散され、12月14日の総選挙に向け、安倍首相はこれをアベノミクス解散と名付け、就任以来の経済政策への審判選挙だと位置づけて、アベノミクスがうまくいっているからその継続を認めてくれるように、として総選挙での与党への支持を訴えている。

(2) 第二次安倍内閣の成立以来、日経平均株価は倍になり、円安も進んだ。その結果、大企業の収益は大幅に改善した。あるいは、雇用は100万人分が創出されたとされる。しかし、派遣やアルバイトその他、不安定雇用が増えただけで、正社員は減り、あるいは、平成26年の4月から6月、7月から9月のGDPが二期連続で、また大幅に減少し、また、国民や地方の実感としても、自らにとって経済がよくなっていると感じている国民の割合は2割にも達しないなど、現時点で安倍内閣の経済政策は、決してうまくいっているという状況ではない。

(3) 結局、あと2年もすればよくなっているだろう、などということでアベノミクスはうまくいっている、と与党では主張しているのだが、不当である。2年後の任期満了間近の時点ではなく、ことさらに、よくなる前に、勝手に、たった2年で解散総選挙の審判を求めておいて、よくなるだろうから、今の時点で合格点をくれ、などと言っても認められないことは明らかである。

 これは、1時間の論文試験で、30分で未完成の答案を提出し、残り30分でいい論文が完成するに違いないのだから及第点をくれ、と言っているようなものである。

(4) むしろ、論文の構成がもともとよくないので、これ以上続けてもとんでもない論文しかできない恐れが出てきたので、ぼろが出ていない今のうちに提出してしまおう、ということであろう。しかし、今の時点の出来はよくないのだから、今の時点で、よくない、という審判を下すべきなのである。

 安倍内閣の経済政策も、株価が上がり、大企業が儲かった時点で失踪し、庶民に好況が行き渡る前に、追加の財政政策が必要になっている。これでは、庶民から見れば、国民の税金で借金をさらに増やし、大企業を儲けさせた時点でその効果が終わり、さらにまた借金を増やして大企業を儲けさせ、庶民にその恩恵が及ぶ前に好景気が終わって、さらにまた借金を増やす、ということが繰り返される恐れが強くなっている、というべきである。

(5) 「2年後にはよくなっている」、などと淡い期待をして、それによってアベノミクス継続を許す審判など下してはならない。自ら、功名半ばにての審判を求めているのは、向こう2年間で悪い結果がいろいろ出てくるに違いないと、首相自身が思っているからであろう。

 今回の総選挙で国民が審判すべきは、いまだ何の結果もでていない2年後の姿ではない。庶民や地方の国民生活に何の恩恵も与えていない安倍首相の経済政策は、国民の審判により否定され、終止符が打たれるべきである。そうでなければ、将来、どころか、2年で国民は大きな禍根を残すことになる、というべきである。