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橋下市長が、大阪市立大学の学長選を廃止して自ら学長を選ぶ、というのは、大学の自治を冒すもので決して許されない。 [大阪府政・市政]

(1) 橋下大阪市長は、8月9日、規定上は市長から任命される大阪市立大学・学長が従来、大学の教職員による選挙結果に基づき選ばれていることについて、「ふざけたこと。そんなのは許さん。学長を選ぶのは市長であり、選考会議だ」と述べ、今秋にも想定される選挙を認めない考えを示したが、大学の自治を冒すもので、決して許されないものである。

(2) 大阪市立大学の定款では、学長は大学の選考会議からの申し出に基づき、市長が任命することになっている。しかし、学長候補者は従来、大学の教職員による2回の投票を経て選び、その結果を尊重して選考会議が学長候補者を選んでいた。

(3) 橋下氏は「(学長は)選考会議で選ぶが、選考会議に僕の意見を反映させる。それが民主主義だ。何の責任もない教職員にトップを選ぶ権限を与えたらどうなるのか。研究内容に政治がああだこうだと言うのは大学の自治の問題になるが、人事をやるのは当たり前の話だ」とも述べたとのことである。http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/osaka_city/?1376031724

(4) しかし、「選考会議」に市長の意思を反映させるなどとは、定款のどこにも書いていない。「選考会議」が適任だと思った人を、選考会議は学長に選び、それに基づいて市長は学長を任命するのであるが、選考会議としては、これまで、学内で選挙で選ばれた人が学長に適任であると考えてそのような選任をしてきたものであり、それは、大学の自治に基づいてそうしてきたものである。

 橋下氏は、「大学の研究内容に、政治家がああだこうだというのは大学の自治の問題だが、人事は自治の対象ではない」と言明しているが不当千万である。「好きなように研究をしてよい、但し、研究費は出さない」と学長が決めたのでは大学の自治、学問の自治は成り立たない。大学運営の方法も一定の範囲で大学内で決めることによって、初めて、学問の自由が確保されるのは明らかである。

(5) これまで橋下氏は大学の自治について、大阪府知事時代、府立大学の入学式で学生に対して、府民の税金が使われているのだから府民に学習の成果を還元するべきだ、と述べたり、http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2009-04-07

府立大学を民間の学校法人に売却する交渉を行ったりと、http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2009-08-26

学問の自由や大学の自治を歪める行動をいくつも取ってきており、当ブログでも批判してきたところである。

(6) 大阪市立大学や大阪市民は、橋下市長によるこのような大学の自治、学問の自由の侵害に対して、断固として抵抗し、このような暴挙を絶対に許してはならないと考える。