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麻生副総理の、「ナチスを例とした改憲発言」、国民をないがしろにして為政者に都合のよい憲法を作ろうとする意図は同じだ。そして、次に現れるのは和製ヒトラーだろう。 [新安倍政権]

(1) 7月29日、麻生副総理が、日本国憲法の改正に関して、「気付いたらワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。誰も気付かないで変わった。あの手口に学んだらどうか。」と発言し、国際的に批判されている。

 8月1日の朝日新聞・天声人語もこれを取り上げ、「素直に聞けば、粛々と民主主義を破壊したナチスのやり方を見習え、ということになってしまう」として、批判している。

(2) 民主主義の手続を踏みながら、民主主義と対極の暴挙の限りを尽くしたのがナチス、ヒトラーである。その、「ナチスの手口を学んではどうか」とは何事だ。これから日本国憲法を改正しようと自民党が考えている時期に、当時、最も進んでいると言われていたワイマール憲法を改正し、あの、近代史における最悪の暴挙を可能にしたナチスのやり方を見習え、とは何事だ。

 ナチスは、悪の権化であって、いかなる政治的意味においても、「よかった」「見習え」などという趣旨で引用されてはならないものであるが、それはともかく、「ナチスの暴挙を、二度と絶対に起こしてはならない」、ということは、現在の人類共通の使命である、という認識など、麻生氏の頭には全くないようである。

 あるいは、現代の世界の憲法は、二度と再び、ナチスや、日本軍国主義のようなものに国が席巻されないようにする、ということを、最大の目的として制定されるべきである、などということも全く判っていないと思われる。

(3) これでまた、はっきりしたのではなかろうか。日本国憲法は、まさに、一時の国民的熱狂等から、ナチス政権下のドイツのようにならないように、国会議員の過半数ではなく、3分の2の賛成がなければ改正できないように96条で定めている。これを改正して2分の1でよいとしたい自民党には、そのような懸念は全く無いのであろう。

 そして、少なくとも、国民をないがしろにして、為政者に都合のいい憲法に変えたい、という意図は、自民党もナチスも共通している、ということが、図らずも明らかになったというべきである。

(4) 麻生氏のような政治家に気を許し、気がつけば96条を改正され、国会議員の2分の1の賛成で憲法が改正できる、となって外堀が埋められれば、次は、和製ヒトラーが現れて、日本を戦前の、軍国主義、帝国主義の日本に変えられてしまう。日本国民は、そのような事態を、何としても防がねばならないことは明らかである。