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麻生副総理の「ナチスを例とした改憲発言」、見習いたいのは改憲反対派の壊滅手法だろう。 [新安倍政権]

(1) 麻生副総理の、「改憲手法はナチスの手口を学べ」発言が、世界的に大きな批判を呼んでいる。また、「ナチスが、誰も気がつかないうちにワイマール憲法を停止した」旨の麻生氏の発言については、大騒動の上でワイマール憲法停止に至ったナチスの策動を知らないのか、などとも批判されている。

(2) しかし、麻生氏の本意は、ナチスがワイマール憲法停止を始め、独裁体制を確立していく過程での、次のようなナチスの国家戦略をさして、これを自民党の改憲活動において見習うべきだ、ということではないかと思われる。

  つまり、ナチスはまず、共産党を弾圧した。圧倒的人気を誇るナチスだったから、共産党なら仕方が無い、と思って、多くの国民は反対しなかった。それをいいことに、ナチスは次に社会党を弾圧したが、この時も多くの国民は反対しなかった。そしてナチスは、次に労働組合を弾圧し、また、最後には教会を弾圧したが、その時点でもはや、ナチスに反対する勢力など、ドイツには全く残っていなかった、というのは有名な話であろう。

(3) 弾圧するのか、懐柔したり、一本づりなどで勢力をそいでいくのかはともかく、麻生氏が「ナチスのやり方を見習え」と言ったのでは、図らずもその不正な意図が、見透かされてしまったというべきである。

 少なくとも麻生氏が日本国憲法改正に際して、ナチスに象徴される国家主義、軍国主義勢力の跳梁を何としても防ぐ憲法体制を維持しなければならない、などということなど、全く考えていないことは明らかであろう。

 あるいは、麻生氏が前記の発言を行ったシンポジウムは、麻生氏ともう一人、政治家として出席していたのは西村真悟議員であった。麻生副総理は、そもそも、そんなシンポジウムには出席すべきでなかったのである。

(4) これから日本が、憲法をどのように変え、あるいは変えないでおくかを議論するにあたって、麻生氏の前記の発言に象徴される改憲派の人権軽視、平和主義軽視の考え方や行動には、常に最大の注意を払っていかなければならないと考える。