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壁耳取材が許されるのは政治と報道の常識だ。百田氏の指摘は的はずれで、間違っている。 [新安倍政権]

(1) 自民党の会合で大西英男議員などが、悪いマスコミは懲らしめるべきだ、などと発言し、また、講師の、作家の百田氏が沖縄の二つの新聞はつぶさなくてはならない、と発言したことにつき、与党による言論弾圧だとの批判が高まっている。

 この問題について、百田氏は、そもそも報道陣を退出させた、内輪の発言が外に出たことが問題だとし、記者が壁に耳を当てて部屋の中の発言を聞いて記事にするのは卑怯だ、などと主張しているが、明らかに間違っている。

(2) 政治家の会合につき、壁耳取材は容認されている。百田氏自身、認めているように、当日も、何人かの記者が壁耳取材をしていることを、その会合の出席者はみな知っていた。ガラス戸に耳を当てている姿が中から見えていたと百田氏自身、言っているのだから、そのことは明らかである。知っていてやめさせなかった。政治家にとっても、記者にとっても、壁耳取材が許されるのは常識なのである。

(3) 壁耳取材を許さない会合は、壁耳取材ができないような会場を用意している。そこに盗聴器をしかけた、ICレコーダーを隠しておいた、というのは許されない取材である。

(4) これは、政治家の勉強会などで、壁耳取材を許さないと、中でよからぬ相談をしているのだろうと、勘ぐられるからである。また、壁耳取材で得た情報は、マスコミの側も、普通では報道できないものである。

 つまり、まさに今回のように、マスコミ取材を許していない中ではあるが、とんでもないことを言っている政治家がいる、と評価されるような発言をした場合に限って報道される。

(5) 政治家にとって、壁耳取材が可能な会場での発言は、壁耳取材の対象になるのである。そこでとんでもない発言をすると、政治家失格だと批判報道をされるのも当然である。

 今回の報道に何の問題もない。百田氏の指摘は、明らかに間違っている。