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金正恩氏殺害の米映画、サイバー攻撃は論外だが、一国の指導者への度を超えた侮辱も許されないものと考える。  [報道・言論]

(1) 米ソニーピクチャーズの、北朝鮮・金正恩第一書記暗殺を描くコメディ映画を米国全土で上映しようとしたことにつき、同社にサイバー攻撃が行われ、「上映する映画館を攻撃する」と脅迫がなされて同社が上映を中止していた件で、米政府はこれを北朝鮮が関与しているとして批判し、オバマ大統領も「映画中止は誤り」と批判した。

(2) 言論、表現に対するサイバー攻撃や、脅迫によって言論、表現を妨害しようとすることなど、絶対に許されないことは明らかである。

(3) しかしそれはともかく、そもそもこの映画、一国の指導者をこけにしまくって、最後は暗殺するなどという内容だが、そのような映画は、まともな映画会社なら、その制作等を自制するのではないだろうか。

 国民は自らの指導者を尊敬しているもので、その侮辱は、国民全体の尊厳を冒す、ということであろう。政治的に批判する、というのは全く自由であるが、茶化す、最後は実名の金第一書記を殺す映画を作る、というのは、限界を超え、人間の尊厳を、また、国の尊厳をも冒すものとして、また、政治的批判ではないことからも、許されないものと考える。

 たとえば、国民が敬愛する元首を冒涜するような映画が作られたら、その国民はどう思うか。あるいは、自分の親を陵辱するような映画を見せられたら、われわれはどう思うか。

(4) かつて、チャップリンヒトラーを茶化し、映画「独裁者」を作って話題になったが、ヒトラーに似せた主人公が出るだけでヒトラーとは名指しせず、また、その内容もぎりぎり、指導者の尊厳を冒す、というところまでは行っていなかったように思う。

(5) 言論・表現の自由も、人間や国の尊厳を冒すことまでは認められないと考える。アングラ映画では、事実上放置され、規制の目が行き届かないのとはわけが違う。ソニーピクチャーズのようなメジャーな映画会社が、そのような映画は作ってはならないものと考える。