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アベノミクス下の株価は仕手戦状態だ。甘利大臣は無責任かつ不当に株価に言及するな。 [アベノミクス批判]

(1) 日経平均株価はアベノミクス効果で平成24年11月14日の党首討論のときの8660円から平成25年5月23日の1万5900円まで一気に上がっていたが、5月24日から乱高下を繰り返し、5月30日には1万3800円に下がっている。

(2) しかし、平均株価がこれだけ短期間に上がるというのは経済の実態を表すものではないことは明らかで、いわば「仕手戦状態」である。

 要するに、日銀が常識を越えた、「何でもやる」異次元の金融政策を取っていることから、とりあえず、日本の株価が上がるに違いないと考えたヘッジファンドなどの外資が大量に買いに入って株価が急激に上がり、それを見てまた資金が入り、「買うから上がる、上がるからまた買う」ということの繰り返しで株価がどんどん上がっているものである。

(3) これはまさに仕手戦状態であって、「仕手筋」、つまり外資が暴落の危険を冒してでも買い続けている、買い増している間は上がるが、この間、買い越しているのは外資で、その分、国内の投資家は多くはこれまで塩漬け状態だった株を損切りする等で売り越し、外資との間で、資金が入れ替わっている状態である。

 この状態では外資が、「これ以上は上昇相場では儲けられない」と考えた途端に撤退し始め、こんどは下がる過程で儲けつつ日本市場から撤退すればすぐに日経平均は元の8000円に戻ってしまう。

 そしてその後は、下がってしまった日経平均を目の当たりにしつつ、日本は、物価が上がり国債が下がり金利が上がって政府の金利負担が増え、財政再建のためには消費税を20%、30%などに上げなければならないような、まさに八方塞がりの状態が待ち構えているかもしれないのである。

(4) それを、甘利経済再生担当大臣は、当初は、「年度末には日経平均1万3000円になればよい」、などと発言し、世間ではそれを超える「甘利超え」があったともてはやすような相場への言及、相場介入発言を行っていたし、今回の、5月24日以降の乱高下状態については、飛行機の機長の機内アナウンスを真似て「当機はまもなく乱気流を抜ける予定でございます。航行上、当機の安全に問題はありません。落ち着いて席にお着きください」などと、何の根拠もなく日本の株価が今後、すぐに安定するかの、不当な発言を行い、国民、投資家を欺く発言をして相場操縦を行っているものであり、不当千万である。

(5) 日経平均が、平成24年11月の8600円から、平成25年5月までの半年余りで1万5900円まで上がるなどというのは異常以外のなにものでもない、仕手戦状態である。今後、いつまた大きく下がって、すぐに8000円台に戻ってしまってもおかしくないのが現在の状況である。

 政府は、今、まさに真剣にそれに備えるべきであって、少なくとも、一般投資家が安易に株に投資して大損することのないように、今後も株価が順調に上がっていくかの、無責任な発言をすべきではない。甘利大臣の発言は不当千万である。