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甘利経済再生相の「日経平均1万3000円を目指す」発言は、許されない「相場介入」である。 [新安倍政権]

(1) 甘利経済再生相は2月9日、講演で、日経平均株価に関し「3月までには1万3千円を目指して頑張るぞという気概を示すことは大事だ」と述べ、平均株価の具体的な目標水準を示して、経済政策を強化する考えを表明したが、これは許されない「相場介入」である。

(2) 政府の経済担当大臣が、景気をよくする政策を取る、あるいは、平均株価が上がるような政策を取っていく、というならともかく、具体的な日経平均株価の数字を1万3000円などと、しかも時期まで具体的に3月までと期限を区切って示すなど、「相場介入」であって、決して許されないものである。

(3) 政府は、平均株価について、決して左右できるものではないし、左右してはならないものである。政府は、一定の経済政策を取り、その結果が平均株価となって現れてくる。それを、平均株価の数字を先に示してしまうと、経済政策の如何にかかわらず、平均株価がそこに動くことがある。

 要するに、3月までは、日経平均株価が1万3000円になるまで経済界を挙げて、一般投資家も、みんなで株を買え、というサインに受け取られる。そうすると、みな、自己責任とリスクを考えず、とにかく買う、ということが行われる。このような、相場介入による株価上昇は、その時はよくても、無理な株価上げは必ず後の暴落を呼ぶ。株価の暴落は景気に極めて悪い影響を与えることは言うまでもない。そういうことがあると、しばらくまた株は買えない、という雰囲気に国中がなる。

(4) そもそも今の株高、8000円から1万1000円まで上がっているのは何の経済的根拠もない、バブルそのものである。これ以上、バブルを大きくするのは危険極まりない。勝手に上がるのは仕方がないが、政府の担当大臣が、期限と水準を示して相場に介入するなどというのはもってのほかである。参院選後の株価暴落が目に見えるようである。それが見えると、それまででも株価はまた下がるのである。甘利大臣の発言は国益に反するものである。


安倍首相が、「物価上昇2%」を実現できないときは日銀総裁に責任を取らせる、というのは無責任だ。 [アベノミクス批判]

(1) 安倍首相が2月7日の予算委員会で、「物価上昇2%」が実現されないときは、日銀法を改正して日銀総裁に責任を取らせる旨、表明したが不当である。

 デフレ脱却について、日銀のできることには限界がある。日銀は、日銀でできることは行うが、それだけではデフレは脱却できない。まさに、政府と日銀が一体となって初めてデフレ脱却ができる。

(2) 安倍首相は、自らの公約である「デフレ脱却」について、実現できなければまさに自らの責任なのであって、日銀に責任転嫁することなど許されない。

 また、今回の発言で、安倍首相が、デフレ対処策を全く理解していない、ということも露見したというべきであろう。

(3) 労働人口大量減少の日本社会では、デフレは、誰が、何をやってもすぐには克服しがたい。政府も日銀も、産業界も、みなが努力して、少しずつ克服していくしかないのである。

 しかし、安倍首相は早期のデフレ脱却を公約にしたのであるから、実現できないときに責任を取るのは日銀総裁ではなく、安倍首相自身であることは明らかである。