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DNA鑑定によっても父子推定を取り消せないとの最高裁判決に賛成である。 [社会]

(1) 7月17日、最高裁は、婚姻中に懐胎した子は夫の子とする民法の規定を尊重し、DNA鑑定によって科学的に血縁上の父親を立証しても、原則として元の父子関係は変更されない旨の判決を下したが、妥当な結論だと考える。

(2) 血縁上の父親が唯一の父親で、そうでない者は父親ではない、という考え方は子の立場を不安定にする。父親として、自分の生物学上の子ではない子について、法律上、子では無いとする方法がない、というのは耐えられない、という考えもあろうが、子には全く罪はなく、一度は親子として関係が生じて一定期間(1年)が経過した以上、その状態を変えることはできない、というのが民法の立場で、法律は敢えてそのような制度を作って、父子関係の安定をはかっている、というべきである。

(3) 今後、法律で、DNA鑑定の結果を優先するように制度を変えることも考えられなくもないが、その場合、出生の際にDNA鑑定を行い、初めから不当な父子関係を発生させないようにすべきだと思われるが、そうれもまた、抵抗があり過ぎるというべきであろう。

(4) この判決は、平成25年12月11日の最高裁判決が、性別変更して、元女性の男性が妻と結婚し、その妻が他人の精子で懐胎した子についても父子推定を認めて実子としての届け出を有効とした判決を下したことと考え方を共通にするものであろう。

(5) 血縁よりも法制度、家族制度を優先する、という考え方は、子と家族制度を守るもので、決して間違っていないと考える。


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