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新安倍内閣、1億総活躍社会のスローガンは、アベノミクス失敗の誤魔化しだ。 [新安倍政権]

(1) 10月7日、第三次安倍改造内閣が発足し、「1億総活躍社会」をスローガンとし、具体的にはGDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職者ゼロという、「新3本の矢」も発表した。

(2) しかし、「1億総活躍社会」といっても全く具体性がない。それを補うものとして「新3本の矢」も発表したのだが、そもそも実現のための方策が示されていない上、この3本の矢によって「1億総活躍社会」が実現されるという関係も薄く、現在490兆円のGDPをどうやって600兆円に増やすのだ、そんなことで1億総活躍社会も実現不可能では無いか、などという批判が経済界からも出ている始末である。

(3) そもそもアベノミクスの総括はどうなったのか。旧来の「3本の矢」は、金融緩和、財政出動、成長戦略だったはずだが、いまだに日銀の2%インフレ目標も実現できず、好景気もそろそも終わるという見方も出ている。

 結局、日銀の大胆な金融緩和の結果、円安になり、株価が上がって、若干、景気はよくなったが、それももう効果がなくなり、市場に供給された大量の資金が残り、それを今後どうやって回収するのか、また、これからは景気刺激に金融緩和の手段は出尽くしたので、次はまた、大幅赤字の財政出動に戻るしかない、という状態だということであろう。

(4) 「新3本の矢」は目標であって手段ではない。どうやってGDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職者ゼロを実現するのか。結局、赤字国債の大量発行による財政出動しか無いが、それでは早晩、財政破綻を来すことは明らかなので、そのことを誤魔化すために、いろいろ目新しいスローガンを掲げるしかないということなのだろう。

(5) アベノミクスは景気をよくし、経済のパイをまず大きくし、それから格差や貧困問題を解決すればよい、ということだったはずである。しかし、アベノミクスでは景気はこれ以上よくならない。今後、弊害が出るリスクだけを残したものである。

 まずはアベノミクスを総括し、日銀の超金融緩和政策の出口、終わり方を説明し、後始末をつけてから、次の政策を論じるべきである。

 国民をこれ以上誤魔化し続けて、取り返しのつかないことになってからでは遅いのである。