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山本太郎議員の天皇への手紙問題、議員辞職を求めるのは時代錯誤である。 [憲法問題]

(1) 世耕弘成官房副長官が、山本太郎参院議員が10月31日の秋の園遊会で天皇に手紙を渡したことを批判し、「自ら出処進退を明らかにするべきだ」と自発的な議員辞職を求めたとのことである。

(2) この問題は、山本議員が、参議院議員としての自らの政治的立場と、天皇の権能や憲法についての自らの無知を露呈するもので、非常に恥ずかしいものであることはすでに指摘したとおりである。

 http://kentaro-0013.blog.so-net.ne.jp/2013-11-01

(3) しかし、「天皇の政治利用」は全くもって「不能犯」であって、山本議員の今回の行動により天皇の政治的中立性が侵された、ないし侵される危機に瀕したなどということでは決してない。

 あるいは、一連の事件は山本議員の全くの無知から来たもので、天皇の「政治的中立性」をねじ曲げようなどという意図は全く無かったことは明らかであろう。

(4) 議員辞職は不可避だ、とする意見は、結局、明治憲法下の天皇の感覚で、「不敬」という観点から、そう言っているものと思われる。しかし、現憲法下において天皇への不敬は、「手紙を渡す」といったことで問題になるようなものではないはずである。また、国民の代表たる参議院議員の地位は、無知だということでは奪ってはならないものである。

 この問題の冷静かつ正確な議論を期待する。