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米朝の嚇し合い、米議会はトランプ氏が凶行に出る前に、大統領を弾劾する責任がある。 [国際問題]

(1) トランプ米大統領は8月10日、北朝鮮がグアム周辺海域への弾道ミサイル発射を計画していることについて、北朝鮮が「グアムで何かしたら、これまで誰も見たことのないような出来事が北朝鮮で起きる」と強く警告し、軍事的な報復の可能性も示唆した。


 これは、8日にトランプ氏が、北朝鮮に対して、「炎と怒りに直面する」と述べたことに対して、北朝鮮が、前記の計画を発表してアメリカを逆に威嚇したことに怒ったものである。米国内では米朝間の軍事的緊張をトランプ氏がいたずらに高めたとの批判が出ているが、トランプ氏はそれに反論し、8日の発言は、「生ぬるすぎるぐらいだった」と述べて、自らが世界の緊張を高めていることを何ら、反省せず、正当化しているものである。


(2) これらは、典型的なチキンレースで、本来、どちらかが最後は根負けして撤収するのだが、今回の二人は、後に引けずに、互いに全く相手の警告を無視し、具体的には、次は本当に北朝鮮がグアムの手前にミサイルを撃ち、これに怒ったトランプ氏が北朝鮮に大規模なミサイル攻撃を行い、これに対抗して北朝鮮はソウルに報復の爆撃を行う。これに対してアメリカは平壌を焼き尽くす、などということになりかねないものである。


(3) キューバ危機の時しかりである。本来なら世界の指導者は、背負っている国民のことを考えて、無茶なことはできず、理の小さいと思われる方が撤収するものである。


 しかし、金正恩氏には、何としても守らなければならない国民はいない。また、金正恩氏は側近を含む部下を何人も虐殺している。これは、いつ、自分自身が同じ目に遭うかもしれないという覚悟のもとで、まさに死んだ気で一連の施策を行っているというべきである。父や祖父のできなかったことを何としてもやり遂げる。そのために多くの国民の命を危険にさらすことなど、全く意に介していように思われる。


 片やトランプ大統領、このまま北朝鮮の挑発に、何もしなければ、オバマ氏が何もしなかったと批判し続けた自分のメンツがつぶれる。アメリカ国民の命を重大な危険にさらすならともかく、今ならまだそうではない。ロシア疑惑の追及が今後、どうなるか、彼自身が一番よく知っているだろうし、国民の目をそらし、自らに恩赦を行ってもそれが紛れるくらいの混乱に世界を陥れるため、アジア人が何万人死んでも、彼の世界観からはそれも許容範囲内であろう。


(4) アジア人が何万人も死に、また北朝鮮が崩壊して、難民が何千万人も韓国や中国、また日本に押しかけてくる、というのは何としても避けるべき事態であり、北朝鮮問題でオバマ氏は何もできなかった、というのは、言うまでもなく、そんなことになっては身もふたもないからである。


(5) 北朝鮮に対しては、世界が連携し、経済制裁を強め、長期的に北朝鮮が態度を改めるのを待つしかない。金正恩氏について、今は改善を求めるのは木によって魚を求めるものであろうから、アメリカの政治家は、世界に対する責任として、トランプ氏に武力行使と、また、北朝鮮を挑発する発言もやめさせるべきである。トランプ氏がそれをやめないなら、この問題だけでも、米議会は、トランプ氏の弾劾に進むべきであると考える。

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