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死に体のまま3ヶ月、この国の貴重な時間を空費した菅内閣がやっと消えて無くなる。 [菅政権]

(1) 小沢、鳩山一派の不信任案賛成騒動で、菅首相が退陣を表明したのが6月2日である。それ以降、菅内閣は死に体のまま、震災後3ヶ月目から6ヶ月目までの、この国にとって極めて貴重な3ヶ月間を、まさに空費したことになる。

(2) その間、菅内閣が何をしたかというと、第2次補正予算、公債特例法、再生エネルギー特別措置法の3案の可決ということだろう。再生エネルギー法案だけは、菅首相自らが言うように、「菅の顔を一日も早く見ないために通した」という面があって、菅内閣が早期に退陣していたら、確かに成立していなかったかもしれない。

 しかし、再生エネルギー法案は、その内容からして、国民の支持を失い、幹事長や閣僚からも、早く辞めるべきだと言われているなかで、何としても通さなければいけない法案でなかったことは明らかだろう。また、補正予算と公債特例法案は、6月にできた新内閣でも普通に、あるいは今よりも早く、またより立派なものが通った可能性もあるもので、何としても菅内閣が取り組まなければならなかった、というものではない。

(3) 結局、脱原発、反原発などといったことに道筋を付けるまで、何としても内閣を続けるのだ、といったことであれば、誰が何と言っても退陣しない、という判断が、将来、歴史的に高い評価を受ける可能性があったものの、その問題については、結局、曖昧なままで本格的な議論を、3ヶ月先延ばしにしたに過ぎなかった。

 今後、菅内閣については、退陣表明後の死に体のまま、3ヶ月、何もしないで存在し続け、震災後の課題を含めて、各種問題の抜本的解決の開始を少なくとも3ヶ月遅らせたという意味で、また、国民の支持を失ったまま、幹事長からも閣僚からも早く辞めるべきだと言われているなかで続けたという意味で、最低、最悪のものだったという歴史的評価は、揺るがないものと考える。

(4) それはともかく、内閣が死に体のまま、いつまで続くか判らなかったところ、菅内閣があと数日で消えて無くなることが決まったことにつき、率直に喜ぶことにしたい。


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コメント 4

通りすがり

日経新聞に「菅直人総理は、市民運動家の理論をそのまま政権運営にもちこんだため、組織として全体を動かす事に失敗した」と記されていました。
確かにそういう意味では菅さんらしい総理大臣像だった様に思います。
しかし、その是非となってくると、時々わからなくなってくるんです。

この半年間のすごくザックリとしたイメージですが、震災直後に谷垣さんに復興担当大臣での入閣などを打診するも自民党はそれを拒否、その後も野党は与党に協力するどころか与党のラブコールをことごとく断ってきた様にしか僕には見えないのですが…
もちろん復興を契機に与野党協力して評価を上げたいという民主党の思いと、せっかく参議院選で大勝した流れを弱めたくない自民党の思いが交錯した事は確かですが…、そんなん言ってる場合か!と率直に思ってました。緊急事態なんやから、ここは一時休戦して政府に譲歩するしかないんちゃうの?と。しかし野党にその器量はありませんでした。自分たちの提言が受け入れられなければそれに怒り、与党の対応のまずさの揚げ足をとってはそれを非難し、この緊急時に船頭をただ非難して、国民の政府不信をあおって、何が生まれるのか…。理解できません。
あの時に、自民にも公明にも個人的には相当失望しました。

そういった野党が非協力的な流れの中、菅さんはスタンドプレーを更に強めていったわけですが、それは自公の政策に歩みよりたいけど、党内で力を維持し続ける小沢さん+引退をあっさり却下して口を出し続ける鳩山さん+そのほかマニフェストの堅持に固執する方々がいて、両者の板挟みで事が進まないから、なんではないでしょうか?要は…是非はあると思うんですが、これはもうまとまらんって思ったんやと思うんですよ。だから市民運動家的な強硬手法を強めた(もともとそういうカラーでしたが)様に感じます。

するとあら不思議、菅さん辞めろ!の一転で、民主党内も野党も菅さんを辞めさせるために…とお互いに協力しだした様に僕には見えるのですが…。野党は菅さんの悪口ばっかりで、むしろ他の民主党議員に同情するようなそぶりさえ見え隠れしてました。両党の国対委員長や幹事長もその距離が近づいた様に見えます。そして、3つの法案が通った。これ、調整型の人で、民主党内の意見にも十分配慮せなアカンし、野党の意見も飲まなアカン…、ではもっと事が進まなかった可能性の方がはるかに高いと思うんですが…。菅さん辞任を目指して、両者が順調に折衝を急いで、この時期の成立なんですから。多分、みんなの思いがバラバラの状況であれば、これよりは早くならなかった様に思います。
再生エネルギー法案などは、急ぐ必要がなかっただけに、菅さんがゴネなければ通る事すらなかったでしょう。

そういう意味では、衆参ねじれの上、与党も野党も党内バラバラの現状では、むちゃくちゃな手法ではあったものの一定の成果は確かにあったのか?という気もしてくるのです。
その答えはこれから、次の首相の時にどういう風に政治が動くかで答えが出てくる気がしますが…。おそらく、今まで以上に、はるかに膠着した運営になる気がしますが…、第3次補正予算、どうなるでしょうね…

まあ衆参ねじれを選んで政治決定のスピードを遅くしたのも国民の選択。
菅さんの市民運動家的スタンドプレーを拒否して、根回し型?を期待するのも国民世論の選択。
さあ…、日本はどうなっていくんでしょうか…。
僕ももう少し勉強します。
by 通りすがり (2011-08-27 00:55) 

kentaro

通りすがりさん、コメント、ありがとうございました。

(1) 菅さんは根っからの市民運動家、せいぜい野党党首なので、反対、追及は得意だが、現実的な政策提言、政策実現は不得手なんだと思います。

 増税、反原発、TPPなど、野党的提言はできるけれども、あるいは、野党党首としてなら許されるような発言も、一国の総理としては実現可能性を詰めないままに、言ってはならないことばかりだったということでしょう。

(2) 内閣不信任案を受けて、辞めると言ったのだから早期に辞めてもらわないと困る。速やかに長期の政策立案を行っていくために、新首相を選ぶべきだ、というのは与野党一致した意見となるのは当然なのだと思います。

(3) 市民運動家型スタンドプレーで始まってもいいんです。最後まで実現させてもらわないと意味がありません。

 結局、自分の首の最後の皮一枚と引き替えに、再生エネルギー法案を通したような具体的戦略がないなら、どんないい政策も、市井の市民運動家の「主張」と全く変わらない、ということだと思います。
by kentaro (2011-08-27 11:03) 

通りすがり

そうですね。確かにそうだと思えてきました。
ただ、党内の趨勢は小沢さんに握られ…、世論の趨勢は民主党を離れ…、という状況で、小沢さんが固執する民主党マニフェスト路線と自公の政策路線が大きく異なる中で、リーダーシップなど発揮できる人っているんでしょうか…?
次の方に期待したいという気持ちもあるんですが、一個人のリーダーシップで云々というのはもう難しい気がします。というか、リーダーシップというものも権力に裏打ちされたものでしょうから…
こうなると、やはり総選挙でしょうか。
そして今度こそ、僕ら国民もマスコミも、国家が本当に進むべきなのか、真剣に考えないといけない気がします。夢を見ずに現実を見ないと。国民主権なんですから。


by 通りすがり (2011-08-27 22:28) 

kentaro

通りすがりさん、コメント、ありがとうございました。

 そうですね。今回の代表選挙でしこりも残るでしょうし、与野党ねじれの中で、誰が勝っても、負けた方からも何かにつけて注文が付いて、まともな政治ができるはずがない、ということでしょう。

 政権に不利な時は解散しない、首相が勝手に解散時期を決める、という態度を公然と取り出したのは憲法の理念を知らない麻生首相だと思いますが、特に今の政権周辺の、憲法に詳しいであろう政治家たちも、世論がどうであろうと解散しなくてもよいかの態度を取るのは、全くもって許せないと思います。
by kentaro (2011-08-27 23:50) 

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