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中国は巨大になり過ぎた自らの影響力を自覚し、周辺国から信頼されることこそ国益にかなうことを理解してほしい。 [尖閣諸島問題]

(1) 中国は広大な国土を持つだけあって、ヒマラヤ山脈東部でインドと国境紛争を抱えているほか、南沙(スプラトリー)諸島をめぐってはベトナム、フィリピン、マレーシア、台湾、ブルネイと領有権を争っている。

 こうした事情から、尖閣諸島沖で逮捕した中国人船長の釈放を拒んだ日本に対し中国政府が「新たな対抗措置を取る」と威嚇したとき、アジア域内一帯には警戒感が広がったとのことである。

(2) 中国はすでに世界第二の経済大国である。世界第二の軍事大国でもある。安全保障理事会常任理事国でもあり核兵器保有国でもある。今や中国はアメリカに次ぐ大国であるといっても過言ではないのであるが、最近の中国の行動は、その、大国であることに物を言わせて、無理にでも近隣諸国に言うことを聞かせようとしているように感じる。

(3) しかしこれは近隣諸国にとっては極めて重大な脅威である。特に中国は共産主義体制を取っており、輸出禁止の経済制裁ひとつとってみてもアメリカなら業界の反対もあって輸出禁止などなかなかできないところ、中国なら簡単にいくらでもできる。また、対抗措置を取られて自国民が被害を受けることも特に厭うこともなく、平気でどんどん措置を取ってくることになる。

(4) 中国は、近隣諸国を、完全に力で押さえ込もうと、また、押さえ込めると考えているのだろうか。近隣諸国の為政者とすれば、事実上の属国となることを容認するのでなければ、各種の支援、技術援助、あるいは、国際河川のダムや国際鉄道の敷設、あるいは貿易の拡大そのものも、中国による「制裁措置」の格好の材料となる。為政者とすれば、自国の安全のためには、中国とのそれらの関係拡大を制御すべきだ、ということになってしまうのである。

(5) 中国は、まずは隣接する東南アジアの指導的地位を占めようと考えているのであろう。隋や唐の時代ならともかく、朝貢しない国に対しても、周辺諸国から信頼されることこそ自らの国益にもかなうことを理解してほしいものである。


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