SSブログ

日米共同声明の、米国が「核使用で日本の防衛に関与する」ことの発表は、絶対に認めることができない。 [新安倍政権]

(1) 平成29年2月11日から始まった日米首脳会談で、安倍首相とトランプ大統領は共同声明を発表し、その中で、「米国は核と通常戦力の双方で日本の防衛に関与」ということが盛り込まれ(読売新聞・2月12日朝刊1面による)、新聞の見出しでも、共同声明「核による防衛も」 として大々的に報道されている。

(2) これまで日米共同声明その他、米国が核兵器で日本を防衛することが明示されたことは一度もなかった。この声明を画期的であると高く評価する向きもあるようであるが、全く逆で、日本は核兵器の使用などに関与しない旨の、日本の国是たる政策をいとも簡単に破棄したもので、絶対に認めることはできない。

(3) 日本は非核三原則等により、核兵器に頼らない防衛を行うことを世界に表明してきた。核は持たず作らず持ち込ませず、ということである。核兵器を搭載していることを発表している米軍の艦船等が日本に寄港する場合も、核兵器は持ち込んでいない、ということを前提にしていた。

 日本は米国に防衛はしてもらうが、核兵器を使用しての防衛は望まない、というのが大原則であった筈である。

(4) ところが、今回、初めて、米国が日本を核兵器で防衛する、ということが合意され、世界に向けて発表されたものであり、絶対に認めることはできない。

 あるいは、今回の声明は、通常兵器で日本が侵略された場合の核兵器での反撃を否定しないもので、核兵器の先制使用を肯定することになっており、大問題である。

(5) これはまさに、北朝鮮などに対しても、防衛、反撃手段としての核武装に口実を与えることにもなっており、むしろ、日本の安全に脅威を与えるものと考える。

(6) 通常の防衛行為を日米で共同、連携して強化する旨の共同声明なら何の問題もないところ、非核三原則を堅持し、核兵器の不使用を世界に呼びかけるべき日本が、自国防衛のために米国に核兵器を使ってもらうことを国際社会に公言する今回の日米共同声明は、絶対に認めることができないものである。