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シリアへのアメリカの軍事介入、化学兵器の国内使用はアメリカによる正当防衛的攻撃の理由にはならないはずだ。 [国際問題]

(1) オバマ大統領は、8月28日、シリアでの化学兵器使用を理由に、アメリカが同盟国の英仏と一緒に、安保理決議なしでも、シリアへの攻撃を検討している旨を表明した。

 しかし、化学兵器の国内使用はアメリカに対する直接的脅威にならないことは明らかである。イラク戦争時の核兵器開発疑惑なら、9.11以来のアメリカへの攻撃の危険を未然に絶つ、正当防衛としての攻撃の理由になりえたが、今回のシリアの件でそのような理由がないことは明らかである。

(2) 一体、どういう理由で今回のアメリカのシリア攻撃が正当化できるのか、全く理解できない。8月29日、英国議会もシリア攻撃承認を否決し、英国の不参加が決まった。

(3) そもそも、シリアによる化学兵器の国内使用に、確たる証拠があるのだろうか。シリア政府として、アメリカの警告を無視してまで、化学兵器を国内使用する利益は普通には考えられない。

 政府の仕業に見せかけて、アメリカに攻撃させてシリア政府の弱体化を図っている反政府勢力による仮装の可能性はないのか。

(4) いずれにせよ、戦争状態にないアメリカの攻撃により殺されても仕方のないシリア人など、1人もいない。また、その後の、シリアによる報復としてのイスラエル攻撃、イスラエルの反撃による戦闘の大規模化等、可能性は小さいかもしれないが、仮にそんなことになれば極めて大量の人命が失われる。そのような危険にシリアやイスラエルの人々をさらして許されるはずはない。

 アメリカによるシリア攻撃に正当性は全くない。オバマ大統領は絶対に、シリアで殺人を犯してはならない。


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