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日本維新の会の「最低賃金制の廃止政策」、最低賃金制の意味や社会政策を全く判っていない。 [平成24年総選挙]

(1) 日本維新の会が政権公約『骨太2013~2016』で、『最低賃金制の廃止』を掲げた。

 これについて橋下氏は、労働者に働く場を確保しようと思えば、賃金は企業ごとの経営状況に応じて賃金の水準は上下せざるをえない。たとえ最低賃金をある一定の額、少しでも賃金を払ってくれるなら、企業活動に任せて、最低の生活保障は国がきちんと保障する。今は企業に最低賃金というハードルを課して、それを出せない企業とかは、本当ならあと2人も3人も雇えるのに1人しか雇えない、となってしまう。企業活動の中で、出せる賃金、雇える人数をきちんと決めてもらって、できるかぎり多くの雇用を生み出してもらいたい。

などと発言しているという。 

(2) 要するに、最低賃金制などがあるから、企業は人を雇えない。最低賃金以下でもどんどん人を雇ってもらって、その賃金で生活できなければ国が扶助等で保障すればよい、ということのようである。

 しかし、最低賃金以下で労働者を安価に働かせ、労働者が生活できない分は国に保障させ、低コストで製品やサービスを提供する企業が出てきては、自前でやっている企業が堪らない。賃金について、国から補填を受けている企業とそうでない企業が、対等な競争ができるはずがない。

 最低労働賃金制度、ないしは労働基準制度は、労働者保護の観点がもちろん大きいが、企業の競争条件を平等にする、という面がある、ということを橋下氏は判っていない。

(3) あるいは、働ける人は働く、働けない人は公的扶助を受ける、そこをはっきりさせないで、フルタイムで働いているけれども生活保護も受けている、などというのでは、何のために働いているかも判らない。自ら働いているというプライドと、国から援助を受けているという負い目と、調整が付かない。

(4) 最低賃金制度は、労働者が自力で働いて、普通の生活ができる最低限の賃金、最低限の生活水準を定めたものである。それを廃止してどんなに安い賃金でも働かせられる、などというのでは企業の競争条件も、使用者のモラルも労働者のモラルも破壊してしまうもので、断じて容認できないものである。


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