SSブログ

大阪地検特捜部のFD改ざん事件、故意に改ざんしたが、刑事裁判に影響を与えるつもりはなかったのでは。 [刑事裁判問題]

(1) 大阪地検特捜部の検事が、郵便不正事件の捜査で証拠のフロッピーディスクを改ざんした事件で、史上初めて、最高検が直接、大阪地検の担当検事を9月21日に逮捕した。

 要するに、大阪地検の不祥事だと大阪高検が捜査に入るが、現在、当時の大阪地検の幹部が大阪高検の幹部になっているため、最高検が乗り出すしかなかったものである。

(2) まあしかし、よく解らない事件である。FDを改ざんして裁判に有利に悪用しようと思ったのなら、所有者に返してしまったなら意味がない。また、すでに他の検事や上司に告白しており、改ざんしたFDを裁判で使用しようとは思っていなかったと言わざるを得ないのではないだろうか。

(3) 結局、故意に改ざんはしたものの、裁判で使用するにはさすがにためらわれて、同僚に報告して上司に発覚し、その前に検察庁内で問題にされるのを防ぐために機先を制して所有者に、裁判中にもかかわらず郵便で返す、などというおかしな行動を取ったのではないだろうか。

 その後、大阪地検内で問題にはなったが、当該FDがすでに庁内に存在しない、ということもあって、それ以上の追及を行わず、上司は闇に葬ることにした、ということであろう。

(4) 当該検事は、証拠の現物を故意に「破棄」したのだろうだから、証拠隠滅罪の成立は免れないだろうが、刑事裁判には正しい証拠が提出されるようにしていたとすれば実質的には大した罪ではない。但し、検事が捜査に関して犯罪を犯したというだけで、極めて重大な事態ではあるが。

(5) ということで、一番問題になるのは、逮捕された当該検事ではなく、この事件を闇に葬ろうとした上司、当時の特捜部長らだったのではないだろうか。

 いずれにせよ、検察を挙げて、事件の全容が明らかにされなければならない。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 2

NO NAME

>FDを改ざんして裁判に有利に悪用しようと思ったのなら、所有者に
>返してしまったなら意味がない。
そうじゃないんです。
検察から証拠として提出すると、弁護側が証拠採用に不同意する可能性がある。
でも、弁護側から証拠として提出されれば確実に(改ざんされたFD)が証拠として採用できる。
これが、”時限爆弾”の意味。
by NO NAME (2010-09-24 12:48) 

kentaro

 NO NAME さん、コメント、ありがとうございました。

 なるほど、そういうことかもしれません。まあ、しかし、問題になれば、改ざんされていることが判って、誰が改ざんしたのか、と問題になり、自分に火の粉がかかってきます。私は、「時限爆弾」というのは、改ざん責任を隠蔽するための内部への言い訳ではないかと思います。
 
 いずれにせよ、私の説も推測の域を出ないもので、捜査の結果を待ちたいと思います。
by kentaro (2010-09-24 13:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1