オバマ大統領の医療保険改革を支持する。

（１）　オバマ大統領が、アメリカの医療保険改革に取り組んでいる。医療保険改革といえば、歴代の民主的大統領が課題としながら、誰も成し遂げられなかったものである。

（２）　日本では言うまでもなく国民皆保険制度があり、３割や１割などという自己負担で医療を受けることができる。

　　しかし、アメリカではそのそも医療費が非常に高い上に、一般には民間の医療保険しかなく、高額の保険料を払えない中間層以下の多くの国民が何の医療保険も持たない、ちょっとした病気で生活を破綻させる、極めて不安定な生活を強いられている。

（３）　アメリカでは、未だに西部劇時代さながらの、まさに命がけで病気にならないで頑張る者だけがアメリカの自己責任社会を戦い抜けるという状態である。

（４）　しかし、この医療保険制度の不備は、アメリカの、弱肉強食社会の象徴であり、現代の福祉社会の先進国水準からみて、著しく劣った状態であるにもかかわらず、これまで誰もなしえかった極めて困難な課題でもある。

（５）　しかし、アメリカ史上、初めての人権派大統領であるオバマ大統領だからこそ、富裕層に大増税を課してでも、医療保険改革を成し遂げてくれるものと期待する。

　いくらでも大富豪になることができる自由の国、アメリカであるとしても、社会としてすべての人に保険医療も受けさせられないようでは、その自由は明らかに行き過ぎである。

（６）　オバマ大統領が提起したこの課題に、アメリカ社会が応えることができるか、核廃絶に向けての取り組みとともに、アメリカという国そのものの正義が問われているというべきである。