政府の、福島原発30キロ圏内「自主避難の要請」を支持する。 [東日本大震災]
(1) 福島原発の事故で、これまで屋内待避とされていた、原発から20キロ~30キロの地域について、政府は自主避難を要請することとなった。あくまで自主避難の要請であって、20キロ以内の避難指示とは異なる、という建前である。
(2) 確かに、「屋内待避」といっても窓を閉めて換気扇を止め、エアコンも消す、などという注意事項がある中で、住民の不安は大きく、自主的に域外に避難する人も多かった。
また、「屋内待避」だから買い物に行く人もほとんど無いことから店舗の営業は成り立たず、商店主の多くが地域を去ったことから、残った住民には食料や日用品が非常に不足しているところ、救援物資も、当地が汚染地域であるとの恐れからなかなか届かず、なかばゴーストタウン化した中で、無視できない数の住民が「棄民」状態で放置されてきた。
(3) しかし、政府としては「避難指示」の地域と、それ以外の地域を、完全に線を引くわけには行かない。30キロのところで完全に線を引くと、逆に30キロのすぐ外から順番に避難が始まり、事実上のゴーストタウン化が進むだろう、という懸念がある。
(4) そこで、政府は、20キロ圏内の避難指示地域の外に、いわば緩衝地域を設ける必要があったのである。30キロ圏の地域を「屋内待機」から「自主避難」に変えるとしても、「避難指示」ではなく、あくまで自主避難なのである。
30キロ圏内でさえ自主避難なのであるから、それ以遠の地域は、避難の必要はない、ということを住民に示す必要があったのである。
(5) 若干、不徹底で曖昧な印象を与えてはいるが、20キロの避難指示地域の外に緩衝地域を作る必要がある。この緩衝地域を自主避難地域として、避難を促すという、今回の政府の措置を支持したい。
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