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オバマは、ノーベル平和賞の趣旨をはき違えるな。 [国際問題]

(1) オバマ大統領がノーベル平和賞受賞のスピーチで、

「わたしは今日、武力による戦いがもたらす代償への痛みとともにここに立っている。戦争と平和との相互関係という困難な問題とともに」と語った。しかし、武力行使が必要なときには、「米国は戦争遂行の主唱者となる」とも言明した。

とのことである。

(2) アメリカはこれまで世界平和の維持のために責任を果たす、と宣言し、世界各地に自国の軍隊を送り込んできた。それに対して世界は、アメリカは、世界の保安官気取りだ、などと批判してきた。

 平和のために軍隊を使う政治家はこれまでいくらでもいた。そして、勝った方の政治家が正義だ、とされ、勝負は付けないまでも、どっちが強そうかを示すために軍拡競争、特に近時は、米ソ両国を中心に核開発競争が繰り広げられてきた。

(3) しかし、その競争の行き着く先は、人類の破滅でしかないことは明らかである。冷戦時代ならともかく、冷戦が決着した今、唯一の超大国であるアメリカの大統領さえ一定の決心をすれば、核軍縮が実現できる。オバマは、プラハでその宣言をしたことで世界中の支持を集め、今回のノーベル平和賞の受賞となったものである。

(4) オバマは、誰が何と言ってもアメリカ大統領なのだから、「米国は戦争遂行の主唱者となる」という立場が必要な時もあろう。しかし、それによる平和実現はノーベル平和賞の精神と対極をなすものであり、受賞スピーチで言うべき話ではない。

 「戦争遂行の主唱者」との立場は今後、極力封印し、「核なき世界の主導者」として、今後の7年間でオバマは、ノーベル平和賞の名に値する大きな成果を挙げる義務があるというべきである。


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