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絶対安全ではない大飯原発でも政府は動かすのだから、政府が、福島で事故を起こした東電の責任を問うのは間違っている。 [脱原発問題]

(1) 枝野幸男経済産業相は7月21日、講演で、原発について「わたし個人の心情で言えば、明日にでも全部止めたい」と語った。ただ、電力不足や料金の高騰などが起きるため、実際には難しい点も指摘。関西電力大飯原発の再稼働に理解を求めた、とのことである。

(2) しかし、本来、「絶対に安全ではない」大飯原発を再稼働してはいけないはずである。福島原発事故を経て、原発があのような事故を起こす可能性のある施設だと分かったにも拘わらず、「絶対に安全になる」ような措置を取らずに原発を再稼働させるなどというのは、本来、あってはならないものである。

 百歩譲って、遠い将来かもしれない、ごく、ごく小さい危険性のために、現実にこの夏、電力不足になったら大変なことになる、ということなら再稼働の説明はつくが、それなら、若干、コスト高になってでも、来年の夏以降は電力不足にならないようにして、「絶対に安全ではない」原発は、止めるべきは明らかであろう。

(3) ところで、福島原発の事故について、東電の責任が厳しく問われ、本来、原発とはほとんど無関係だった部署等も含めて、東電従業員の年収が、約23%減らされることが決まった。

 消費者委員会まで、経産省の20%削減案では不十分だとして、東電従業員の年収をもっと削れ、と主張した。

(4) しかし、まさに東電は、原子力発電推進という国策に従って、自らの使命を果たしていただけである。あれだけの事故を目の当たりにして、原発が「絶対に安全ではない」と分かってからですら、政府は電力会社に原発の稼働を命じるのである。

 いわんや、東電は、原発はほぼ、「絶対に安全で」、事故など起こるはずがないと信じて原発を稼働させていたのであるから、不幸にして起こってしまった原発事故の責任を問うのは間違っている。

(5) 福島原発事故の被害については、国にその責任があることを認め、東電ではなく、国が前面に立って、被害者に対する賠償を十分にすべきである。

 また、事故について、東電や東電従業員の責任であるかのように責任の所在を誤魔化して、無責任に、「絶対に安全ではない原発」を再稼働することなど、絶対に許されないものである。


東電社員の給料を下げて、電気代値上げ幅を圧縮しようとするのは間違っている。 [東日本大震災]

(1) 7月13日、枝野経産大臣は、松原消費者担当大臣と会談し、東電の電気料金値上げ問題で、東電の人件費を減らすことで合意したとのことである。

 また、消費者委員会は12日、国民感情からして、東電社員の年収を、経産省が発表した20%よりも、さらに圧縮することを求める意見を出し、日弁連までこれを支持する会長見解を発表している。

(2) しかし、30%も給料が下がったら、生活が成り立たなくなる社員も出てくるだろうし、大学へ通えなくなる子どもも出るだろう。その犠牲のもとで、公共料金を下げる、などというのは、どう考えても間違っている。

 職員の給料を大幅に下げて、料金、税金を上げないようにしよう、というのは橋下大阪市長の得意とするところであるが、それを批判してきたはずの日弁連まで、東電社員の給料を下げよ、などというのはとんでもないことである。

(3) 倒産に瀕した企業は事業スキーム自体が成り立っていないので、部門単位の閉鎖等、人員削減が不可欠で、1000人減らすところ、給料を半分にしてでも、人員減を最小限に済まそうということから、大幅な給料カットに従業員も同意するのである。

 また、その状態でないと、公的資金も投入できない、ということであろう。

(4) しかし、東電の経営が成り立たないのは賠償債務の問題であり、その他の場面で、社員の給料を下げないとやっていけない、という点はない。これまで原発を推進してきた国策に沿って働き、それを完璧に遂行し、国策が変わったらそれに沿って働く東電社員に全く責めもない。

 要するに、大衆が、人民裁判で、東電が悪い、東電社員の給料を減らせ、と主張してそれが実現し、溜飲を下げるのであろう。しかし、人民裁判なら、被告人を取り違えているのも明らかである。

(5) 特に、消費者委員会の立場について論じれば、電気料金は、経産大臣だけでは決められず、消費者大臣の同意がいるため、消費者委員会の意見は、極めて重要な役割を持っていた。公共料金決定に、消費者の意見が現実に反映される、歴史的な、画期的な場面だったわけであるが、消費者委員会が、社員の給料を下げて料金を下げろ、などという暴論を出したことは実に残念である。

 東電社員の給料を下げて、電気代値上げ幅を圧縮しようなどというのは、絶対に間違っている。


小沢新党は、消費税増税の代替手段を直ちに国民に示せ。 [小沢・石川問題]

(1) 小沢氏が新党を立ち上げ、消費増税反対を公約に掲げているが、では一体、代わりにどうするというのか、明確にすべきは明らかである。

(2) 小沢氏は、平成21年9月の、政権奪取以来、民主党政権を牛耳ってきた。その民主党が、消費増税なくして社会保障の一体改革や財政改革等が実現できないという結論に至ったので、今回の法改正案の提出に至ったものである。

(3) 小沢氏とその周辺は、消費増税反対を旗頭に、総選挙を戦うとのことである。では、社会保障改革や財政再建について、どのような道筋を付けるのか。消費税など上げなくても、行政改革や公共工事の減縮でいくらでも財源は出てくると言っていたのは小沢氏である。

 あるいは、民主党政権は、本来、どうすべきだったのか、直前まで政権中枢にいた小沢氏らは、それを直ちに明らかにしなければ、新党の存在そのものが問われるというべきである。


国民は、小沢新党の党利党略、私利私略を見透かしているだろう。 [小沢・石川問題]

(1) 7月2日、消費税法案に反対の、小沢氏をはじめとする民主党議員の50名が離党し、7月3日に民主党はこれらの議員に除籍等の処分を科したが、民主党にとっては、党内のガン細胞を一挙に切除できたというべきである。

(2) 小沢氏は、消費増税に反対しているが、何ら、対案を示していない。民主党政権樹立当初、大した経費削減ができず、ガソリン税の減税撤回を決める等の際、民主党を率いていた張本人である。小沢氏こそ、増税などしなくても、経費削減で各種交付金の財源などいくらでもでてくるなどと、国民を騙した張本人である。

(3) 小沢新党は、橋下氏の大阪維新の会や石原都知事らとの連携を目指しているようであるが、単独で十分国民の支持を得られる彼らが、わざわざ「金権腐敗」「ダーティ」「ポピュリズム」のレッテルを一緒に貼られてしまう、小沢氏との連携に応じるわけがない。

 あるいは、橋下氏も石原氏も、天下、国家、国民のことを真剣に考えているもので、国がどうなろうが、国民をどう騙そうが、自らの勢力拡大、権力奪取のためには手段を選ばない、党利党略、私利私略そのものである小沢氏と連携などするはずがない。

 小沢氏と連携してくれるのは、小沢氏以外では誰も連携してくれないような、鈴木宗男氏らの集団くらいであろう。

(4) 小沢新党のほとんどのメンバーは、小沢氏が民主党の幹事長として「小沢先生、私たちをお導きください」などという小沢ベイビーズである。今回も、信も義もなく、また将来に何の見通しもない小沢氏に付いていくのも、自らの判断力を持たないからであろう。

 小沢氏の党利党略、私利私略は、すべて国民に見透かされて、小沢新党は、次の総選挙では小沢氏とその他数人に激減するだろう。